令和8年度施政方針

更新日:2026年02月24日

  令和8年第1回市議会定例会で、南出市長は令和8年度の市政の基本方針となる施政方針を発表しました。

施政方針

  令和8年泉大津市議会第1回定例会の貴重なお時間をいただき、令和8年度の市政運営の基本方針を申し述べる機会をいただきましたことに対し、感謝を申し上げますとともに、議員各位並びに市民の皆様にご理解とご協力を賜りたいと存じます。

さて、市民の皆様から3期目の市政運営を託されてから、早くも1年が経過しました。

この1年は、まさに国内外の情勢が激変する「激動の年」でした。

アメリカでは第2次トランプ政権が誕生し「アメリカ第一主義」を掲げて、関税引き上げや移民政策の厳格化が進められ、世界経済の不確実性は一層高まっています。また、長期化するロシア・ウクライナ戦争や緊迫する中東情勢など地政学的リスクも高まり、国際秩序は大きな転換期を迎えました。

国内に目を向けますと、2,500万人以上が来場し、地域経済に大きな波及効果をもたらした大阪・関西万博の開催や、日本政治史上初の女性首相の誕生など次世代に希望を与える出来事があった一方で、食料品をはじめとする物価の高騰、「令和の米騒動」と呼ばれる深刻な米不足、国民医療費の増大による負担増、記録的な猛暑など、市民生活を直撃する難題が次々と押し寄せました。

こうした激動の時代にあっても、市民の皆様の暮らしと真の健康を守るため、常に時代の流れを先読みしながら「官民連携」「市民共創」の理念のもと、市政運営に邁進してまいりました。

まず、食糧の安定確保と健康増進の取組です。令和5年3月に策定した「安全・安心な食糧の安定的確保に関する構想」に基づく農業連携は、昨年12月時点で13自治体に拡大しました。連携先から直接米を購入する本市独自のダイレクトサプライチェーン構築は、給食やマタニティ応援プロジェクトなど「食による健康増進」の推進に大きく寄与しています。さらに、昨年夏の米価格高騰時には、農業連携自治体と民間事業者の協力も得て、市民限定の「米の特別販売」を実現し、市民の皆様の不安解消につながりました。

また、令和5年度に開始した全国初の「マタニティ応援プロジェクト」は、着実に成果を上げ、金芽米を食べたお母さんから生まれた「金芽米ベイビー」が約1,300人に達しました。研究機関の分析では、妊娠中の体調不良の軽減、新生児の平均体重の増加、低出生体重児の減少、医療費の減少といった効果が実証されており、本市発の社会課題解決モデルとして他の自治体にも広がっています。

本市の特徴的な取組である給食については、昨年8月から中学校でも自校調理を開始しました。成長期の生徒たちに温かく栄養豊かな給食を提供することで、残食率が低下するなど目に見える成果につながっています。金芽米の提供や、オーガニック・旬の食材を使った「ときめき給食」は、多くの自治体が視察に訪れる、全国で注目される本市の大きな魅力となっています。

さらに、これらの取組を前進させるべく、「泉大津市熟成米プロジェクト」がまもなく始動します。

米不足や米の価格高騰が大きな社会問題となる中、民間事業者が持つ「米の熟成保管技術」を活用し、長期保管時の食味・品質変化を検証する取組で、「古米」の概念を覆す挑戦です。品質を維持しながら付加価値を高める米の熟成や長期保管ができれば、生産拡大、食糧の安定確保、将来への備え、付加価値米の販売など、「食と農」の課題を構造的に変える新たなモデルになると期待しています。

「未病予防対策先進都市」をめざす取組では、令和7年度から「泉大津版未病予防健診」を導入しました。腸内フローラを解析する「腸内環境チェック」と女性の健康を支える「未病女子チェック(エクオール検査)」を集団けんしんのオプションとして実施。検査を通じて自分の体の状態を早期に把握して病気になる前に適切に対処する仕組みを整えています。これにより、QOLの向上や健康寿命の延伸、ひいては国民医療費の削減に貢献します。

防災分野では、旧図書館を改修した備蓄拠点「OZU-BO(おづぼう)」が昨年12月にオープンしました。備蓄物資の効率的な管理と緊急時の迅速な物資供給を可能にするレイアウトを導入し、発災時の対応力を大幅に強化した拠点です。平時には、簡易ベッドや水循環式シャワーの運用方法の体験を通じて防災意識を高め、平時と有事をシームレスにつなぐ拠点として活用し、市民の命と安全を守れるよう、防災力を強化します。

これらの「官民連携」「市民共創」で創発してきた先駆的な取組は、大阪・関西万博で、次世代の社会課題解決モデルとして世界に力強く発信できました。

民間事業者・団体・市民の皆様とともに万博での発表に向けて準備を進めた過程は、信頼関係をさらに深める貴重な機会となりました。この歴史的な舞台で本市の取組を披露し「アーカイブ」として残せたことは、本市の歩みを未来につなぐ大きな意義があります。

万博を契機に実施した「いずみおおつ“まちなか万博”」では、12の団体が核となり、9月から11月にかけて市内各地で、音楽・ダンス・スポーツ・観光・健康など多彩なイベントが開催され、まちは大きな賑わいを見せました。交流人口の増加、地域産業・文化芸術の振興に加え、団体間の新たな連携が生まれるなど、万博後の本市のさらなる発展につながる「市民共創」の好事例となりました。

こうした特徴的な取組を推進し、積極的に発信してきた結果、民間事業者が実施した「若者に選ばれる自治体ランキング」で、全国815市区中29位という高い評価をいただきました。これは、市民の皆様や関係諸団体、職員が一丸となってまちづくりを進めてきた総合力の賜物であり、「泉大津市なら新しい価値が生まれる、安心して暮らせる」という都市ブランドが着実に確立されてきた証です。

これまで種をまき、育ててきた取組は、着実に芽吹き、確かな成果を上げています。しかし、私たちを取り巻く情勢は決して楽観視できません。

本年11月にはアメリカで中間選挙があり、トランプ政権の政策運営が信任されるかどうかで国際経済の枠組みが大きく揺らぐ可能性があります。

国内でも衆議院解散・総選挙の影響で令和8年度予算の年度内成立が難しく、市政運営への影響を注視する必要があります。また、低金利時代の終焉による公債費負担やインフラ更新コストの増大も課題です。

こうした歴史的な転換期において、市民の皆様が安心感を持って暮らし続けられるようにするためには、これまでの取組を継続するだけではなく、時代の変化を先取りした「更なる一手」を打ち出さなければなりません。これまでの成果を土台に、財政の健全化と市民サービスの質の向上を両立させ、この難局を乗り越えて、元氣な泉大津をつくり、これからも選ばれ続けるまちとなるよう、職員とともに全身全霊で取り組んでまいります。

それでは、令和8年度の主要事業を、「第5次泉大津市総合計画」の基本計画に掲げる7つの基本目標に沿って説明いたします。

 

1点目「みんなが互いに繋がり、理解し、共感しあうことで新たな刺激が生まれるまち」についてでございます。

社会構造やこれまでの価値観が大きく変わる、正解のない時代の中で、誰もが安心して暮らせるまちを実現するためには、市民一人ひとりが互いに支え合い、力を合わせていくことが何より重要です。すべての人が自分らしく活躍でき、言葉や文化の違いを乗り越えて認め合い、地域の中で助け合いながら暮らしていけるよう、その環境整備を着実に推進します。

まず、地域の支え合いの強化です。高齢者や子どもの見守りなど、従来の地域の支え合いだけでは年々対応が難しくなっている状況を踏まえ、地域で活動する人々がしっかりつながり、身近な困りごとを解決できるまちづくりを進めます。引き続き、関係者が集う場としてまちづくり協議会の設立と活動を支援します。

また、日本人にとっても、外国人にとっても暮らしやすいまちの実現に向け、市民がさまざまな国の文化に触れ、体験できるイベントを実施します。

加えて、令和7年度市民アンケートで、「家事は分担すべき」との意識が高い一方、実態に偏りが見られることから、炊事や掃除など家庭生活に必要な「生きる力」を身につける講座等を実施し、家庭内で誰もが役割を担う行動を広げます。

次に、国際的な視野を養う取組です。市内在住の高校生・大学生等を対象に、海外派遣研修を実施します。海外での語学学習、現地の文化・歴史体験、現地の人々との交流を通じて、国際的な視野と主体性を養い、日本人のアイデンティティを育むとともに、将来に活きる原体験を提供します。

2点目「主体的に学び、生涯にわたって学びの環境を自由に選ぶことで成長し続けるまち」についてでございます。

令和7年度は「第2次泉大津市教育振興基本計画」のスタートの年として、「志をもって自立・自律し、地域や社会に貢献できる人」の育成を目標に、さまざまな取組を推進してきました。令和8年度はこれまでの取組を深化させ、学びの質の向上、学習環境の整備、食育による「生きる力」の醸成を一体的に進め、次代を担う人材を育成します。

まず、「学力向上プラン」が3年目を迎えるにあたり、中学生に加えて、新たに小学生でもリーディングスキルテストを実施します。これにより、教師の分析力を高め、リーディングスキルの視点を取り入れ、子どもたちの自ら学ぶ力を育み、自律した学習者へと成長できるようにします。

また、英語教育の一層の充実を図るため、全小中学校に配置している常駐の外国語指導助手(ALT)について、複数配置校を拡大することで、児童生徒の国際感覚や英語への関心を高め、コミュニケーション力を一層向上させます。

次に、猛暑日の増加や気温上昇が続く中、児童生徒の健康と安全を守り、安心して学校生活を送ることができるよう、空調機器の再整備の設計に着手します。

また、老朽化が進む浜小学校校舎棟については、時代に即した学習環境へ刷新するとともに、地域交流ゾーンを整備します。あわせて、災害時の避難施設としての機能強化を図るため、長寿命化改良工事の設計に着手します。

さらに、登校はできるが教室に入ることが難しい児童生徒の居場所として開設している校内教育支援ルームについて、指導員の複数配置校を拡大することで、誰ひとり取り残されない学びを保障します。

加えて、全校の仲よし学級の運営を民間委託し、安定的な運営体制と利用者のサービス向上を図ります。

次に、物価高騰が続く中においても、児童生徒の健やかな体づくりを支えるため、国の交付金を活用して保護者に負担を転嫁せず、安全・安心で栄養価の高いオーガニック給食を継続します。小学校給食については、無償化を実施します。

続いて、生涯学習および文化芸術についてです。幅広い年代の交流を促進し、多様な地域の学びを創出するとともに、スポーツ振興や文化の魅力を活かした施策を充実させ、市民が主体的に活動できる持続可能なまちづくりを推進するため、第2次生涯学習推進計画と第4次文化芸術振興計画を策定します。

また、文化財の保存と活用を多角的かつ計画的に進めるため、「泉大津市文化財保存活用地域計画」の策定に着手します。この計画の重要な取組として、貴重な民家である「藤原家住宅」「寺田家住宅」について、国登録文化財への申請を進め、本市の文化遺産の核として活用を促進します。

さらに、池上曽根弥生学習館については、指定管理者制度を導入し、大阪府の施設と一体的な管理運営を行うことで、弥生時代に関する学びの場として、学習館と池上曽根遺跡の魅力をさらに高めます。

3点目「みんなが生き生きと、心豊かに健やかに暮らせるまち」についてでございます。

すべての市民が生涯を通じて心身ともに健やかに暮らせるよう、妊娠期から高齢期に至るまで、障がいの有無を問わず、誰もが健やかさを実感し、互いに支え合いながら自分らしく活動できる環境づくりを推進します。

はじめに、子育て支援の充実です。官民連携により整備した2つの民間認定こども園が4月に開園します。これにより、子育てと仕事が両立しやすい環境を整え、特色ある教育・保育環境をさらに充実させます。

また、健康効果が認められた「マタニティ応援プロジェクト」を継続し、食を通じて妊婦と生まれてくる赤ちゃんの健康増進を図ります。

さらに、4月から新たに5歳児健診を実施し、子どもの発達特性を早期に把握して、特性に合わせた適切な支援を行い、生活習慣などの育児指導を通じて幼児の健康保持・増進を図ります。

加えて、保育所等に入所していない6ヶ月から満3歳児が利用できる「こども誰でも通園制度」を開始し、子どもの育ちと保護者の多様なライフスタイルに対応した支援を推進します。

次に、公立就学前施設での食育です。「食べることは生きること」をテーマに、園児向け「にじいろクッキング」では、鰹や昆布から出汁をとる体験を、保護者向け「きがるにクッキング」では、出汁を活かした味噌汁づくりを実施します。子どもと保護者が食のおいしさやありがたさ、健康づくりの大切さを実感できる機会を創出します。

また、公立就学前施設の給食についても、国の交付金を活用して保護者に負担を転嫁せず、安全・安心で栄養価の高いオーガニック給食を継続します。

あわせて、「こどもまんなか社会」の実現に向け、施策に若者の意見を反映させるとともに、ファミリーサポートセンター事業で新たな短時間預かり事業「ぷっち」を開始します。子育てしやすい環境づくりを進め、これらの取組を子育て世帯に積極的に発信します。

  次に、誰ひとり取り残さない社会の実現です。孤独・孤立に悩む人や高齢者、障がい者などが気軽に集い、軽食等をともにしながら交流できる「みんなの居場所づくり」を推進します。

また、高齢者を対象に、地域の学校施設で給食を食べながら交流する「シニアいきいき給食会」を開催し、孤食を防ぎます。あわせて、介護予防講座を実施し、日常的にできる予防を啓発することで、健康寿命の延伸をめざします。

さらに、高齢者が住み慣れた地域で元気に暮らせるよう、もの忘れ検診やあたま活き活き体操など、認知症の予防・改善の取組を継続します。認知症高齢者等が行方不明になった場合の早期発見のため、「みまもりあいアプリ」を周知し、地域での見守り体制を強化します。

加えて、令和7年度から実施しているエンディングサポート事業をさらに周知し、誰もが尊厳をもって最期を迎えられる体制づくりを進めます。

次に、障がいのある人への支援として、就労を希望する人の強みや適性を客観的に評価するアセスメント手法を活用し、地域の関係者と連携しながら、自分らしい働き方や進路を選択できる仕組みを構築します。

次に、市民の健康増進についてです。令和8年度も「泉大津市健康づくり推進条例」に基づき取組を着実に進めます。

まず、生活習慣病対策に加え、令和7年度から開始した独自の「泉大津版未病予防健診」を継続し、女性の健康課題への対応や未病段階から心身を整える取組を推進します。

また、医食同源の理念のもと、食事こそが健康と生命の源であるという古来の知恵に立ち返り、生涯を通じて全市民が「食を選ぶ力・作る力・食べる力」を身につけ、「健康に生きる力」を育んでいけるまちをめざします。そのために、民間事業者や庁内各部局との連携を一層深め、親子で取り組む食の体験活動をはじめ、あらゆる世代に向けた食育を継続的に推進します。

次に、医療体制についてです。本市では、今後の人口動態による将来の医療需要の変化を見据え、社会医療法人生長会とともに地域医療体制の再編に取り組んできました。令和6年12月にスタートした「泉大津急性期メディカルセンター」を中心とする医療提供体制は、地域内の医療の質を飛躍的に向上させ、「安心して暮らせるまち」として、本市の魅力となっています。

一方、厚生労働省が公表した令和6年度の「医療経済実態調査」では、一般病院の約7割が赤字、また公益社団法人全国自治体病院協議会の調査でも、自治体病院の約9割が繰出金を入れてもなお、経常収支が赤字となるなど、近年の人件費や物価の高騰により病院の経営環境は厳しさを増しています。

本市においても病院事業会計の不良債務の増加が市全体の財政運営に多大な影響を及ぼしかねないため、今後の環境変化に耐え得る病院運営・経営のあり方について、抜本的な対策を早急に講じます。

次に、「食と農」に関する取組です。「安全・安心な食糧の安定的確保に関する構想」に基づき、本市が必要な食糧を将来にわたり確保できるよう、賛同する自治体、生産者、関係団体等との連携を強化します。あわせて、「コメがつなぐ自治体間農業連携首長協議会(コメサミット)」を開催し、自治体間連携を深め、全国共通の課題解決に向けたネットワークを形成します。これにより、本市独自のサプライチェーンを安定化させ、市民生活を支える社会インフラを構築します。

また、「こども特派員事業」を継続し、農業体験や食育を通じて原体験を提供します。「食と農」を切り口に、関係・交流人口の創出・拡大を図り、地域活性化を進めます。

さらに、本市独自のサプライチェーンを活用した「官官民連携」のイベント、「コメEXPO in 泉大津」を開催し、米や農産物を安価に購入できる機会を創出することで、物価高騰の影響を受ける市民生活の負担軽減につなげます。

4点目「安全・安心を一人ひとりが考え、みんなでつくりあげるまち」についてでございます。

近年、私たちの周りでは、これまでの常識が通用しない自然災害が頻発し、日々の穏やかな暮らしを脅かす犯罪が全国で相次いでいます。こうした状況の中、行政として最も大切で、決して忘れてはならない役割は「市民の皆様の命と財産を守ること」です。

令和8年度においても、この原点をしっかりと胸に、防災・防犯・消防の取組を推進します。

まず、防災の強化です。能登半島地震では、避難生活の厳しさから多くの災害関連死が発生しました。この教訓を活かし、妊産婦、乳幼児、高齢者、障がいのある人などの視点に立って、避難生活の質を高め、命を確実につなぐ備えを進めます。災害備蓄品については、量と質の両面から計画的に充実を図ります。

また、災害に強いまちづくりの指針となる「国土強靱化地域計画」の改訂を行います。あわせて、発災時の行動を具体的に定める「地域防災計画」に基づく災害対応を確実なものとするため、専門的なノウハウを取り入れた災害対策本部の運営訓練を実施します。これにより、指揮命令系統や情報の集約・共有、部局間の連携体制を徹底的に確認し、いざという時に確実に機能する体制を構築します。

加えて、昨年12月にオープンした「見て・触れて・体験できる」防災倉庫「OZU-BO(おづぼう)」を積極的に活用し、平時から市民一人ひとりの防災力を高め、災害時には互いに助け合えるまちの実現をめざします。

次に、防犯の推進です。本年1月に登録者数が500人を超えた、日常生活の中で行う防犯活動「ながら見守り」について、引き続き登録者の拡大と無理なく続けられる取組を充実させます。これまで地域の皆様と積み上げてきた防犯活動と補完し合いながら、人の目と気配りで地域を守る、防犯意識が息づくまちづくりを推進します。

次に、消防・救急の充実です。住宅火災による死傷者を防ぐため、住宅用防災機器等の設置促進と維持管理を徹底します。あわせて、コンロやモバイルバッテリー等、家庭の火気器具の正しい取扱い方法をイベントで広報・啓発するとともに、民生委員・児童委員など地域の皆様と連携し、高齢者世帯への防火訪問を実施します。

また、増加する救急需要に対応するため、高規格救急自動車および高度救命資器材の更新整備を進めます。さらに、マイナンバーカードを活用した「マイナ救急」を周知し、救急隊が正確な医療情報を迅速に取得できるようにすることで、傷病者の負担軽減と救急活動の効率化、救命率の向上につなげます。

5点目「みんなが住みよい環境が整っているまち」についてでございます。

「このまちで暮らしたい」「このまちで暮らし続けたい」と感じていただくためには、日々の生活の中にある「心地よさ」と、当たり前の毎日を支える「安心感」が何より重要です。

令和8年度も、彩り豊かなまちなみの形成と、暮らしを支える強固な都市基盤の整備を両輪として、まちづくりを着実に推進します。

まず、環境美化の推進です。長年、衛生委員会を中心に市民の皆様と継続してきた清掃活動を礎に、「ごみゼロ大作戦」や「スポGOMI大会」、ごみ拾いSNS「ピリカ」を通じて環境美化への意識と行動をさらに広げます。

また、暑さが厳しさを増す昨今、身近な取組による生活環境の改善が欠かせません。地域環境基金を活用して、市民の皆様による樹木等の植栽を取り入れた暑熱対策や、エネルギー・資源を大切にする取組を補助金制度で支援します。

さらに、旧戎小学校校舎解体後の跡地を活用して移転する戎町公園については、多様化する市民ニーズに対応した特色ある公園として整備します。

加えて、住宅性能の向上を図り、子育て世代から高齢者まで多様な世帯が安全で安心して暮らせる住環境を整備するため、二田・寿市営住宅集約建替事業を進めます。

次に、都市基盤の強化です。給水人口減少による料金収入の減少や老朽化施設の更新費用の増大、技術職員の不足、災害や事故発生時の体制確保などの課題解決に向け、令和9年4月を目標に、市水道事業と大阪広域水道企業団との統合について、具体的な協議を進めます。

また、大規模災害やインフラの老朽化への対策として、下水道関係施設の適正な維持管理と計画的な更新を推進します。あわせて、施設の効率的・効果的な維持管理と業務効率の向上のため、包括委託を進めます。

6点目「地域資源を活かしたにぎわいが生まれ、再生、発展するまち」についてでございます。

少子高齢化や人口減少が進む中でも、本市が将来にわたり持続的に発展していくためには、人と人との交流を促進し、地域経済の成長を実現していかなければなりません。

令和8年度も、本市が持つ多様な地域資源を最大限に活用して交流人口・関係人口の拡大を図るととともに、産業振興や創業支援など、経済の活性化の取組を着実に推進します。

まず、「海のあるまち泉大津」の魅力をさらに高めます。港湾エリアの公園・緑地を活かした、にぎわいを生み出すイベントの開催や魅力ある公共空間の形成に向けた施設整備に取り組む民間事業者を支援します。これにより、海辺の憩いの場を活発化させ、来訪者を増やします。

また、これまでリーフレットや特設サイトにより、文字や静止画を中心に発信してきた観光情報を進化させます。在阪留学生等の外国人や市民の協力のもと、多言語による観光紹介動画を作成し、国内外に積極的に発信します。これにより、本市への来訪・滞在を促進し、地域の活性化につなげます。

さらに、ふるさと納税の充実です。従来の返礼品送付型については、新規返礼品の開発と認知拡大に努めます。あわせて、本年2月から導入した現地決済型ふるさと納税については、市外からの来訪者が宿泊施設や飲食店などで寄附と支払いをその場で完結できる便利な仕組みです。加盟店の拡大と制度の周知を進め、寄附額の増加と関係人口の創出をめざします。

次に、市内事業者の成長支援です。販路開拓や業務改善など、市内事業者が抱える経営課題解決に向け、専門知識・実務経験を持つ副業プロフェッショナル人材を活用する「プロ人材活用支援事業」を継続します。これにより、事業者の持続的な成長を促進することで、地域産業の振興を図ります。

また、泉大津商工会議所と連携し、家賃や設備購入費用など、創業時の経済的負担を軽減する支援を継続します。これにより、市内での創業・起業を促進し、地域全体の活性化につなげます。

さらに、将来の創業者育成です。子どもの金融リテラシーやリユース意識、コミュニケーション能力を育むため、引き続きキッズフリマ事業を実施します。本物のお金を使って「売る・買う」を体験することで、将来、市内で創業者として活躍する人材を育てます。

7点目「新たな力を取り入れ、柔軟にアップグレードし続けるまち」についてでございます。

人口構造やライフスタイルの変化、情報通信技術の進展により市民ニーズが多様化・複雑化する中でも、市民の皆様に安定した行政サービスを提供し続けることは、市政運営において極めて重要です。このため、市役所自らが不断の工夫と改善を重ね、業務の効率化やサービスの質の向上を図りながら、将来にわたり持続可能な市政運営に取り組んでまいります。

まず、激動変化する時代に対応した行政改革です。市民サービスの維持・向上、財政の健全化、職員の業務負担の軽減を実現するため、各課で既存事業の在り方を点検、見直し、検討する機会を積極的に創出します。

また、市民が来庁せずに申請等ができる「行政手続のオンライン化」を引き続き推進します。あわせて、オンラインでできる手続きの利用促進を図るため、積極的な情報発信を行います。これにより、24時間365日、いつでもどこでも便利に利用できる行政サービスを拡大します。

さらに、業務効率化と災害対応力の強化のため、固定資産税家屋評価における家屋図作成と、災害時の家屋被害認定調査の双方に活用できるデジタルツールを自治体で初めて導入します。

次に、人材育成の強化です。変化の激しい社会情勢に的確に対応し、新しい価値を創造し提供できる優秀な職員を育成・確保するため、若い世代がまちづくりに興味を持ち、自由に意見を伝え、参画できる「いずみおおつ若者会議」を継続的に発展・充実させます。

また、市民の幸福度向上を実現する強靭な組織を構築するため、性別や年齢にかかわらず、誰もが自律し、リーダーシップを発揮できるよう、職員一人ひとりのキャリアアップ意識を醸成します。階層別のキャリア形成研修などを継続的に推進し、持続的な成長を促します。

続いて、財政運営の基盤強化です。現行の「第2次泉大津市財政運営基本方針」を見直し、今後5年間の財政運営の指針となる「第3次泉大津市財政運営基本方針」を策定・公表します。

また、当面取り崩しや支出の見込みがない保有基金・現金について、昨今の金利上昇局面を捉え、預金や債券での積極的な運用を進めます。これにより財政の安定化を図ります。

次に、官民連携のさらなる発展です。本市はこれまで、府内トップクラスの官民連携実績を築いてきました。この流れを継承し、新たな民間事業者との連携を進めます。あわせて、これまでに構築した多様なソリューションを持つ民間事業者とのネットワークを最大限活用し、万博後のBeyond Expo 2025を見据え、中長期的・持続的な成長に向けた社会課題解決のモデルケースとなる先進的な取組を創出します。

また、本市が進める先進的な取組を積極的・効果的にPRすることで、本市のまちづくりの理念に賛同する民間事業者等からの寄附を呼び込み、プロジェクトの持続的な深化を図ります。

最後に、公共施設の適正配置です。現行の「泉大津市公共施設適正配置基本計画【第2期】」を基に、「みんなが利用しやすく、みんなが集える公共施設のあるまち」の実現に向け、【第3期】計画の策定を進めます。

また、災害時に対策本部となる市庁舎の受発電設備を更新し、防災機能の強化と庁舎利用者の利便性向上を図ります。

 

<令和8年度当初予算案について>

令和8年度当初予算案につきましては、

○一般会計 394億1,123万円(対前年度比4.2%増)

○特別会計

(国民健康保険事業特別会計 外3特別会計)

165億1,552万円(対前年度比0.1%減)
○水道事業会計   28億7,502万円(対前年度比0.2%減)
○下水道事業会計 52億8,327万円(対前年度比1.3%減)
○病院事業会計 58億5,159万円(対前年度比7.3%減)
○全会計合計 699億3,663万円(対前年度比1.5%増)

でございます。

以上が令和8年度に向けての私の市政運営の基本方針ですが、結びにあたりまして、例年同様に市民の皆様に「3つのお願い」があります。それは、あいさつ、ごみ拾い、みどりを増やす運動です。

この3つの運動につきまして、市民の皆様のまちや人を想う愛の活動の輪が着実に広がっていることに心から深謝を申し上げます。引き続き、「人と人のつながりを大切にする」「まちを綺麗にする」「みどりを育む」まちづくりを基本とし、市民の皆様とともに小さなアクションを積み重ねていきたく思います。一人の力は微力であっても無力ではない。「一燈照隅 万燈照国」という言葉のように、一人ひとりが持つ力を信じています。自然との調和、お互い様、おかげ様、利他の心など、日本が古来より紡いできた和の心を、皆様と大切にしながら、泉大津市を前に進めていくために全力を尽くす所存です。

議員各位並びに市民の皆様におかれましては、格段のご支援・ご協力をいただきますよう、心からお願い申し上げまして、私の施政方針と、令和8年度の取組および当初予算案についての説明といたします。

 

令和8年2月24日

泉大津市長 南出 賢一

 

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