災害時における入浴支援体制の強化に向け市内福祉施設と官民連携協定を締結します(令和7年12月17日)

更新日:2025年12月26日

能登半島地震からまもなく2年、教訓を踏まえた「生活支援の強化」

泉大津市は、災害時に断水・停電などにより入浴ができない状態が長期化する課題に対応するため、社会福祉法人 覚寿園と「災害時における入浴支援に関する協定」を締結します。

本協定は、能登半島地震(令和6年)をはじめとする近年の災害対応の教訓を踏まえ、発災後においても安定した入浴環境を確保し、被災者の命と健康、生活の質を守ることを目的としています。

社会福祉法人 覚寿園の入浴施設

協定締結の背景

災害時には「入浴ができない」生活環境が必ず発生

全国の大規模災害(阪神・淡路大震災、東日本大震災、熊本地震、西日本豪雨、能登半島地震)では、

  • 断水
  • 停電
  • ボイラー故障・設備損壊
  • 温浴施設の休業

が同時に発生し、避難者の多くが長期間入浴できない状況に置かれました。

衛生の悪化と健康リスク

避難生活において入浴や清潔保持が不十分な状態が続くと、

  • 皮膚疾患
  • 感染症
  • 体調不良

などの健康被害が増加し、災害関連死の一因となることが報告されています。

特に皮膚アレルギー疾患を持つ方にとって、普段と異なる生活環境で皮膚を良好な状態に保つことは非常に困難です。能登半島地震においても、避難者から「洗髪できない」「皮膚トラブルが増えた」といった声が多く寄せられました。

入浴は「心のケア」にも直結

入浴や入浴施設には、

  • 体温保持
  • 血流改善
  • ストレス軽減
  • 睡眠改善
  • コミュニケーションの場となる

などの効果があり、被災者の心身の安定を支える重要な生活支援です。

自治体単独では対応が難しい現実

  • 平時から大規模入浴設備を所有していない
  • 災害時において、ボイラーや浴槽設備を新たに確保・設置することは、時間・コスト・技術面で困難
  • 入浴運営に必要な人員(受付・誘導・湯温管理・清掃等)を災害時に割くことが難しい
  • 国・府による入浴支援は非常に重要である一方、広域災害時には要請から実施までに数日を要する場合があり、発災直後の生活支援を自治体のみで補完することは難しい

といった制約を抱えています。

泉大津市が抱える特有の課題
  • 沿岸部に津波浸水想定区域を有し、断水・停電リスクが相対的に高い
  • 市主体の初動支援(特に発災72時間)を強化する必要性
  • 市内にスーパー銭湯がなく、入浴施設を有するあらゆる民間企業との連携が必須

これらの理由から、官民連携による入浴支援体制の整備は喫緊の課題となっています。

協定締結の意義 ― “官民連携こそが最も効果的な解決策”

社会福祉法人 覚寿園が持つ強み

  • 安定した給湯設備
  • 大型浴槽と高度な衛生管理ノウハウ
  • 入浴運営に精通したスタッフ
  • 平時の運営スキルによる即時対応

市が単独では確保できない設備・人材・運営力を補完し、継続的な入浴支援を可能にします。

協定の内容と効果

協定内容(概要)
  • 災害時における市内避難者への入浴環境提供
  • 入浴に必要な湯水、備品、消耗品等の提供
  • 入浴実施時の衛生管理および安全確保に関する協力
  • 情報提供体制、連絡系統の明確化
  • 運営に必要な人員確保と市との連携
期待される効果
  • 入浴支援により、感染症や皮膚トラブルを予防
  • 高齢者・障がい者の健康リスク軽減
  • 精神的ストレスの軽減、避難所の生活環境改善
  • 災害関連死の予防
  • 市の防災力向上・地域との共助促進
泉大津市のめざす姿
  • インフラが機能しない混乱状況下に入浴を提供し、公衆衛生を維持
  • 被災されたかたへの心身の安らぎを与え災害関連死を防止

特に、能登半島地震で課題となった「清潔保持の不足による健康被害」を、泉大津市として未然に防ぐ体制が構築されます。

調印式について

日時 令和7年12月25日(木曜日)午後1時00分~午後1時30分(予定)

場所 泉大津市役所4階 市長応接室

今後の展開

能登半島地震から2年を迎えるにあたり、被災地で得られた貴重な教訓を、泉大津市の災害対策として確実に実践していくことが重要です。入浴支援は、命と健康、そして心を守るために欠かすことのできない生活支援の一つです。

本市ではこれまで、災害時の入浴支援対策として、民間企業と災害時における臨時避難所施設利用に関する協定を締結し、入浴施設を併設する民間施設を災害時に活用できる体制を整備してきました。また、AI水循環型シャワーを2台導入するなど、断水下においても入浴支援が可能となる取組を進めてきました。さらに、同時被災の可能性が低い関東から九州までの広域22市町とネットワーク型災害協定を締結し、AI水循環型シャワーについて、協定自治体間で相互に貸し借りができる体制づくりを進めています。

そして今回の協定を契機に、市と民間・福祉施設がより一層連携することで、被災者に寄り添った継続的かつ実効性のある入浴支援体制を構築し、誰もが安心して避難生活を送ることができる環境の整備を進めてまいります。

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