主な産業の歴史

織物産業の伝統

天下に知られた泉州木綿
 17世紀ごろから庶民の衣料として広く利用され始めた綿織物。なかでも泉州は、「堺より比の間(樫井)に至る凡そ五、六里ばかり、海に沿ひて平田の間を行くに、極目皆木綿(目に見えるものはみな木綿)」と伊藤東涯による紀州道中紀行に紹介されているとおり、全国有数の綿作地でした。

 1785年、宇多大津村に綿花売買の注文所ができ、大津村の人々はしだいに綿の生産から加工や商いへと手を広げていったようです。

さかのぼれば、真田幸村へ
 織物の伝統をさらに遡れば、天保の飢饉の際に、人々がこれを織ってしのいだという真田紐。

 「真田幸村が考案し、後藤又兵衛が当地に伝えた」という伝承もあり、木綿平織りのかっちりとしたこの紐を織る技術が、後の織物のまちとしての素地を作ったともいえそうです。

マニュファクチュアの先駆者
 1842年(天保13年)の記録によると、宇多大津村には、農家ではない10軒を含む18軒の織屋があり、近隣の村からも含めた通勤賃織り日雇い82人など、137人の労働者が働いていたとか。ほかにも住民の大部分が綿賃打、糸稼、染屋などに従事している工業の村であり、すでにはっきりと、資本家と労働者の分業という形態がとられていた様子がみられます。

 これは、酒造の灘と並ぶ、我が国で最も早いマニュファクチュア(工場制手工業)の始まり。

 泉大津は、織物の先進地であるだけでなく、近代資本主義においてもパイオニアだったのです。

明治時代の木製毛布織機のひとつ

毛布王国

 全国シェア約90%その底力

暮らしに産業が溶け込んでいる、日本一の毛布のまち
 あなたが、昨夜、日本製の毛布に包まれ眠ったなら、それはたぶん泉大津で作られた毛布でしょう。

 国内で生産される毛布の約90%が泉大津とその近隣地域で生まれています。

 そう、まさしく泉大津は、日本一の毛布のまちなのです。

 以前は、どの通りにも「○○工場」「□□毛布」などと看板を掲げた工場があちこちに見られました。しかし、工場といっても広さは、大きな屋敷ぐらいのものが多く、民家の並びにごく自然に溶け込んでいました。

 この「あるのがあたりまえ」の日常性が、紡績・織り・起毛などの分業によって得た競争力とともに、日本一の毛布産業の発展を支える力になっていたのかも しれません。

丈夫でしなやか、しかもソフトな肌触りのマイヤー毛布
  いま毛布の主流といえば、マイヤー毛布です。

 2枚の地布を編みながら、同時に毛足となるパイル糸を編み込み、あいだをカットして2枚に分離させ、表裏を逆にして、張り合わせて仕上げます。

 この「編む」という技術により、しなやかで毛足の長い、ソフトな感触の毛布になるのです。

 染めはシルクの版を何色も重ねる方法で行います。

 技術は、着実に進歩しており、ぼかしのはいった繊細な柄もきれいに染まるようになりました。

 「特別難しいことはないよ」と、ある染め職人は言いますが、「日本一の毛布のまち」を築き上げたのは、まさに彼ら、泉大津の人たちなのです。

パイオニア精神が今日の隆盛のカギ
 明治18年、日本初の毛布が、泉大津で誕生しました。

 素材は、牛毛。

 最初は、服地をつくりましたが、ゴワゴワしているのと、においのために売れずに寝具に。ところが、「赤ゲット」と呼ばれ、庶民の憧れの的だった舶来毛布には遠く及ばない代物でした。

 しかし人々は、あきらめず、柔らかな肌触りを求めて悪戦苦闘し、乾燥させたアザミの実であるチーゼルによる起毛など、さまざまな技術を生むことになったのです。

 結局、毛布産業が発展の足がかりを掴むのは、牛毛を綿にかえてからですが、このときの毛布との格闘が、大き な力となり自信となったのは間違いありません。

 大正時代、不動の地位を得た後も、プリント技術などで常に一歩先を行くパイオニア精神は、今も健在です。

丈夫でしなやか、しかもソフトな肌触りマイヤー毛布

毛布の染色工程のようす

3本の糸を使って毛布を編む、カールマイヤー編み機

ニット産業

 新しい主翼―ニット産業

今後の発展が楽しみなニューパワー
 大阪という大ファッション市場に近い地の利を生かし、戦後、急速にのびてきたのがニット産業です。

 急速な流行の変化や、高級化・個性化といった消費者のニーズにすぐ応えられる国内有数のニット(横編み・丸編み)産地として、アパレル業界からも高い信頼を得ています。

 もちろんその背景には、高度な機能を持った編み機や、色・柄をコンピュータでデザインするシステムなど、最先端技術を追及するといった努力がありました。

 今後は、高付加価値時代に売れる商品づくりを目指し、企画・開発にも注力いたします。

 技術面では、どこにも負けない自信があるだけに、今後が大いに期待されている産業です。

 

コンピュータを使って色や柄をデザインするシステム

お問い合わせ
地域経済課 電話番号:0725-51-7651 ファクス:0725-32-6000

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