○泉大津市参画及び協働の推進に関する条例

平成26年12月17日

条例第23号

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、泉大津市における市政への参画と協働によるまちづくりを推進するための基本的事項を定め、市民、市民公益活動団体、事業者(以下「市民等」という。)及び市がお互いの立場や役割を認識し、信頼関係のもと参画と協働を進めることにより、地域コミュニティが育まれ、市民が主役の活力ある豊かな地域社会をつくることを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 市民 市内に住所を有する者、通勤又は通学する者をいう。

(2) 市民公益活動団体 自治会、NPO、ボランティア団体その他市内において第4号に掲げる活動を行う団体をいう。

(3) 事業者 市内において営利を目的とする事業を営む法人又は個人をいう。

(4) 市民公益活動 自主的・自発的に、人や社会に貢献し、様々なニーズや課題解決に取り組む活動をいう。ただし、次に掲げるものを除く。

 専ら営利を目的とする活動

 宗教の教義を広め、儀式行事を行い、又は信者を教化育成することを主たる目的とする活動

 政治上の主義を推進し、支持し、又はこれに反対することを主たる目的とする活動

 特定の公職(公職選挙法(昭和25年法律第100号)第3条に規定する公職をいう。以下同じ。)の候補者(当該候補者になろうとする者を含む。)若しくは公職にある者又は政党を推薦し、支持し、又はこれらに反対することを目的とする活動

(5) 市民参画 市民等が、市の政策等の立案、実施及び評価の過程に主体的に参加することをいう。

(6) 協働 市民等及び市が、それぞれの役割と責任を明確にした上で、相手の立場や特性を理解し合い、共通の課題の解決や目的の実現のために協力・協調して活動することをいう。

(基本原則)

第3条 市民等と市は、次に掲げる原則に基づき、参画及び協働の推進を図るものとする。

(1) 年齢、性別、国籍、心身の状況、社会的及び経済的な状況、障がいの有無等の違いに配慮するとともに、市民の多様な個性を尊重すること。

(2) 自由な意思に基づき、対等な関係であることを常に認識すること。

(3) 互いの立場や特性を理解し、尊重することで、補完し合い、それぞれの役割を確実に果たすことができるように努めること。

(4) 互いの関係や経過等を公開し、公平かつ透明性の確保に努めること。

(5) 協働の目的は、市民全体の利益の増進であるということを互いに理解し、その認識を共有すること。

(市民の役割)

第4条 市民は、基本原則に基づき、地域の特性を生かした住みやすいまちづくりを進めるため、自らが主体であることを認識し、自主的にまちづくりに参加するよう努めるものとする。

(市民公益活動団体の役割)

第5条 市民公益活動団体は、基本原則に基づき、自らの持つ知識及び専門性を生かし、多様なまちづくりの主体との交流・連携を図りながら活動を推進するよう努めるものとする。

2 市民公益活動団体は、自らが行う活動の内容について広く情報発信するとともに、当該活動への市民等の理解及び参加促進を図るよう努めるものとする。

(事業者の役割)

第6条 事業者は、基本原則に基づき、地域社会の一員であることを認識し、自らの特性及び資源を生かし、自主的にまちづくりに貢献するよう努めるものとする。

(市の役割)

第7条 市は、基本原則に基づき、参画及び協働のまちづくりを推進するため、市民等が活発に市民公益活動を行えるよう環境整備を図るとともに、参画及び協働の機会を創出するよう努めるものとする。

2 市は、積極的に市政における情報を提供するとともに、市民等から広く意見を求め、施策に反映させるよう努めるものとする。

第2章 市民参画

(市民参画の対象)

第8条 市は、次に掲げる事項(以下「対象事項」という。)を行おうとするときは、市民参画の手続を実施しなければならない。

(1) 市の基本構想(泉大津市総合計画条例(平成26年泉大津市条例第1号)第2条第2号の基本構想をいう。)その他基本的な事項を定める計画の策定又は変更

(2) 市の基本的な制度若しくは方針を定め、又は市民等に義務を課し、若しくは権利を制限することを内容とする条例の制定又は改廃

(3) 広く市民の利用に供される大規模な施設の設置にかかる基本計画の策定及び変更

(4) 前各号に掲げるもののほか、広く市民生活に重大な影響を及ぼす制度の導入及び改廃

2 前項の規定にかかわらず、市は、対象事項が次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、市民参画の対象としないことができる。

(1) 緊急を要するもの又は軽微なもの

(2) 市の内部の事務処理に関するもの

(3) 市税の賦課徴収その他金銭の徴収に関するもの

(4) 法令等により実施の基準が定められており、その基準に基づき行うもの

(5) 前各号に掲げるもののほか、対象事項として適当と認められないもの

3 市は、第1項に掲げる対象事項以外のものであっても、市民参画の対象にすることができる。

(市民参画の方法)

第9条 市民参画の方法は、次のとおりとする。

(1) 審議会等の開催

(2) パブリックコメント手続きの実施

(3) 市民説明会の開催

(4) ワークショップの開催

(5) 市民アンケートの実施

(6) 前各号に掲げるもののほか、市が適当と認める方法

(市民参画の実施)

第10条 市は、市民参画を実施するときは、前条に規定する方法のうちから、対象事項の性質を勘案して効果的と認める方法を適切な時期において実施するものとする。

2 市は、市民参画を実施するに当たり、より広く市民等の意見を求める必要があると認めるときは、複数の方法を併用するよう努めなければならない。

3 市は、前項の規定により複数の方法を併用して市民参画を実施する場合は、パブリックコメント手続きを含めて実施しなければならない。

4 パブリックコメント手続きに関し必要な事項は、市長が別に定める。

(審議会等)

第11条 市は、市民参画の実施に当たり審議会等(地方自治法(昭和22年法律第67号)第138条の4第3項の規定に基づき設置する附属機関及び市が市民等に意見を求めるため設置した組織をいう。以下同じ。)の委員を選任するときは、審議会等の設置目的を達成するために必要な専門性の確保、男女比率、年齢構成、他の審議会等の委員等との兼職状況等を考慮し、幅広い分野から人材を登用するとともに、委員の公募等により市民等の多様な意見が反映されるよう努めるものとする。

2 市は、審議会等を設置したときは、その名称、目的、委員名簿、委員の選出基準等を公表するものとする。

3 市は、審議会等の会議(以下「会議」という。)を公開するものとする。ただし、次のいずれかに該当する場合は、会議の全部又は一部を公開しないことができる。

(1) 会議において泉大津市情報公開条例(平成10年泉大津市条例第10号)第6条又は第7条の規定に該当する情報に関し審議する場合

(2) 会議を公開することにより、公正かつ円滑な審議が著しく阻害され、会議の目的が達成できないと認められる場合

4 市は、会議を開催しようとするときは、事前に会議名、開催の日時、場所、傍聴等の手続について公表するものとする。ただし、緊急に会議を開催する必要があるときは、この限りでない。

5 市は、会議終了後、速やかに会議録を調整し、公表するものとする。ただし、泉大津市情報公開条例第6条又は第7条に規定する情報に該当するおそれがあると認めるとき、その他正当な理由があると市又は当該審議会等が認めるときは、この限りでない。

第3章 市民公益活動の促進及び市民等との協働

(市民公益活動の促進)

第12条 市は、市民等との協働を推進するために、市民公益活動団体の自主性及び自立性を尊重し、市民公益活動に対して必要な支援に努め、その活動を促進するものとする。

(基本施策)

第13条 市は、市民公益活動を支援するとともに市民等との協働を推進するため、次に掲げる施策を講じるよう努めるものとする。

(1) 情報の収集及び提供に関すること。

(2) 協働に関する認識や知識等を深めるための学習機会の提供に関すること。

(3) 市民公益活動推進のための拠点施設その他市民公益活動に必要な体制の整備、充実に関すること。

(4) 前3号に掲げるもののほか、市民公益活動を支援するとともに市民等との協働を推進するため必要があると市が認める事項

(まちづくりを担う人材の育成)

第14条 市民等と市は、協働によるまちづくりを担う人材の育成に努めるものとする。

2 市民等と市は、子どもたちをまちづくりの担い手として尊重し、自発的に地域貢献活動をしていく子どもたちの育成に努めるものとする。

第4章 推進体制

(推進会議の設置)

第15条 市長は、参画と協働のまちづくりを推進するため、泉大津市参画と協働のまちづくり推進会議(以下「推進会議」という。)を置く。

2 推進会議は、委員10人以内で組織する。

3 委員は、次に掲げる者のうちから市長が委嘱し、又は任命する。

(1) 学識経験者

(2) 市民公益活動団体の代表

(3) 市民

(4) 前3号に掲げるもののほか、市長が必要と認める者

4 委員の任期は、2年とする。ただし、委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

5 委員は、再任されることができる。

6 推進会議は、次に掲げる事項を調査及び審議する。

(1) この条例の改正又は廃止に関する事項

(2) 参画と協働のまちづくりの推進に関する取組状況に関すること。

(3) 前2号に掲げるもののほか、参画と協働のまちづくりの推進に関すること。

7 推進会議は、前項の規定に基づき、調査及び審議した結果を踏まえ、市長へ提言することができる。

8 前各項に定めるもののほか、推進会議の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。

第5章 雑則

(委任)

第16条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。

(施行期日)

1 この条例は、平成27年4月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の際、既に着手され、又は着手のための準備が進められている施策であって、市民参画の手続を実施することが困難なものについては、第8条から第11条までの規定は適用しない。

(特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)

3 特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例(昭和31年泉大津市条例第15号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

泉大津市参画及び協働の推進に関する条例

平成26年12月17日 条例第23号

(平成27年4月1日施行)