部活動の再開にあたって(教育長メッセージ 5月27日)

更新日:2023年08月01日

≪部活動をがんばってきた中学生の皆さんへ≫                       

新型コロナウイルスの感染拡大防止の流れを受けて、3月より臨時休校になり、これまで当たり前だった部活動もできない日々が続いています。その中で、中体連主催の全ての大会をはじめ、各種コンクール等の中止の決定が伝えられたことは、これまで最後の大会をめざしてがんばってきた、特に中学3年生の皆さんにとって、言葉に表せないほどのショックだったでしょう。 今の皆さんにとっては、どんな言葉もなぐさめにならないかもしれません。しかし、部活動からたくさんのことを学び、部活動に育ててもらった先輩の一人として、みなさんにメッセージを送ろうと思います。  

部活動の目的は「スポーツや文化・科学等に親しむ中で、責任感や連帯感、達成感など健全な心身の育成と体力の増強をはかること、そして何よりも社会性を学ぶこと」です。部活動では、「レギュラーに選ばれた」「試合や発表会で成果を出せた」「近畿大会や全国大会に出場できた」など一喜一憂する場面がたくさんあります。そしてその一つひとつが、皆さんを部活動に熱中させるモチベーションになってきたでしょう。しかし、今思い返したとき、私が部活動を通して学んだことは、なによりも「世の中に出て通用する人として成長できた」ことだと思います。

これまでの部活動の中で、いろいろな苦しみやつらい経験があったと思います。もしかしたら、「最後の大会、発表の場としての目標がなくなってしまった今が一番つらい」「なんで、自分たちばっかり・・」と感じる人も多いかもしれません。今すぐに現状を受け入れて納得することも、「受験に向けて、部活から勉強に気持ちを切り替える」ことも簡単にはいかないでしょう。でも、これまでつらい状況に負けることなく、自分で考え、そして時には友人の力も借りながらともに乗り越えたことで今の皆さんがあるように、この現実にも目をそらさずに向き合ってほしいと思うのです。

今後、皆さんは中学校を卒業して、いずれ社会にはばたいていきます。そこでは、思うようにいかないこと、どうすればいいか迷ってしまうことなどがたくさん待ち受けていることでしょう。その時に、その状況を皆さんがどう受け止め、どう考えられるか。そこに、みなさんが部活動で得た経験がいかされるのだと思います。今、皆さんは確かに厳しい現実に直面しています。でも、だからこそ、しっかりその現実に向き合ってください。その先には、これまでよりも一回りも二回りも大きくなった皆さんがいる、その皆さんには未知数といえるほど、たくさんの可能性が開けると信じています。  

泉大津市では、来週から段階を踏んで部活動を再開していく予定にしていますが、まずやってほしいこと、それは部活動について見つめなおす時間をもってほしいということです。「3密」を避けながらにはなりますが、部活ごとにミーティングなどを行って、今一度顧問の先生と皆さんで部活動について考えてみてください。「何のために部活をしてきたのか、これから何のために部活をしていくのか」このテーマは1・2年生の皆さんはもちろん、3年生の皆さんにこそ考えてほしいと思っています。そして、3か月ぶりの部活動の時間を、「当たり前のことができる喜び」をかみしめながら、身体と心に徐々に刺激を与えるようなウォームアップの1週間にしてください。また、次の週にかけては、少しずつこれまで身体にしみつけてきた運動やルーティンを思い出す時間にしましょう。 「3密」を避けるという大前提はあるものの、6月15日からは部活動を本格的に再開することになります。その時も、中学3年生の皆さんが中心になってくれたら、とても嬉しいです。皆さんが学んだこと、身につけたことをぜひ後輩に伝えていってください。部活動に真剣に向き合ってきたからこそ、今の状況に向き合った皆さんだからこそ、これまでよりたくさんのことが見えてくるかもしれません。最後の公式戦や発表の舞台に向けた姿ではなくても、今の皆さんにしか伝えられないメッセージがあるはずです。その皆さんの言葉や姿は必ず後輩たちに響くと思いますし、顧問をはじめとした先生方は、皆さんのことをこれからも見守り、応援を続けていきます。 6月からが改めて今年度のスタートです。部活も、勉強も、そして学校での活動すべてを楽しみ、充実した毎日を送ってください。    

≪保護者の皆様へ≫

いつも本市の教育行政について、ご理解ご協力をたまわり、ありがとうございます。3月からこれまでの3か月は、子どもたちだけでなく、保護者の皆様にとっても経験したことのない事態に対してどう対応すればいいのか、不安でいっぱいの3か月だったことと推察いたします。 例年ですと、これから中学3年生が中心となって、最後の大会やコンクール、発表会等部活動の締めくくりに向けて気持ちを高めていく時期ですが、ご存じのとおり、予定されていた大会等が次々と中止になり、これまで部活動に励んできた子どもたちにとって非常に厳しい現状となっています。大きな目標がなくなってしまったことで、子どもたちは大きな戸惑いがあると思いますが、我々教育者は子どもたちの気持ちに寄り添い見守りながら、子どもたちに語りかけ、健全育成に今後も努めてまいります。

保護者の皆様におかれましても、子どもたちに一番近い大人として、子どもたちの一番の理解者として、子どもたちへあたたかい声かけをしていただくとともに、この予測のつかない社会を生きていく子どもたちの将来を少しでも支えながら、これからの子どもたちの成長を見守っていただけると幸いです。

泉大津市教育委員会 教育長 竹内 悟

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