第5回「泉大津市オリアム随筆(エッセイ)賞」が決定しました!

 衣服や繊維製品にまつわる思い出、感動したことなどをテーマとしたエッセイで「繊維のまち・泉大津」を広くPRするために創設した第5回「泉大津市オリアム随筆(エッセイ)賞」の受賞作品が、海外を含む全国から応募のあった353点の作品の中から選考されました。
 選考は、作家の難波利三氏、眉村卓氏、有栖川有栖氏、上方芸能評論家の木津川計氏の4氏により行われ、白熱した議論が交わされました。
 オリアム随筆賞(最優秀賞)を含む上位6作品と泉大津市民から選出される特別賞「泉大津市長賞」1作品の計7作品の授賞作品を最終決定し、上位3作品は「大阪春秋4月号」(平成29年4月発行)に掲載予定です。
 なお、受賞者の表彰式は、平成29年3月12日(日曜日)にテクスピア大阪(泉大津市旭町22-45)で行われ、受賞者に各賞が授与された後、審査委員をパネリストに迎えた文学フォーラム「オリアムエッセイ教室」もあわせて開催されます。関西を代表する文化人が一堂に会し、エッセイの書き方や楽しみ方を講演していただきます。
 受賞者は次のとおり。(敬称略)

第5回「泉大津市オリアム随筆(エッセイ)賞」 受賞者一覧

◆オリアム随筆賞(最優秀賞)
  『知子のネクタイ』
   小森 知子(64) 大阪府松原市

◆優秀賞
  『銀河とマフラー』
   篠本 和男(60) 大阪府岸和田市 

◆優秀賞
  『クリスマスプレゼント』
   清水 知華子(50) 大阪府南河内郡

◆佳作
  『糸屑』
   家野 未知代(68) 京都府京都市

◆佳作
  『長暖簾』
   斉藤 譲二(67) 岡山県笠岡市

◆佳作
  『ゾウのTシャツ』
   福井 敦男(51) 京都府京都市

◆泉大津市長賞(特別賞)
  『はい』
   多田羅 初美(76) 大阪府泉大津市

 

※年齢は受賞発表(平成28年12月26日)時点のもの

選考会の様子

選考委員による選評

◯難波先生

 最優秀賞「知子のネクタイ」は父と娘の深い絆が一本のネクタイに凝縮され、胸を打つ。強気な実母と優しいおばちゃんの対比が背景としての効果を生み、その狭間で暮らす父親像も鮮明に浮かび上がる。おしまいの一行がぴたりと決まり、僕は何度読み返しても涙腺が緩んで仕方がなかった。

 優秀賞「クリスマスプレゼント」。ぶっきらぼうな少年の優しさと、現在進行形の内容が明るい感動を誘い、読後感が爽やかである。

 同「銀河とマフラー」。似たような話の記憶が蘇り、この作品の僕の評価は鈍くなる。

 佳作「糸屑」。巧みな文章で、全編に行きわたる作者の優しい眼差しが心地好く伝わる。

 同「ゾウのTシャツ」。実話か創作か見極めがつけ難く、僕の迷いは今も残っている。

 同「長暖簾」。なぜ母は一人で質屋へ行かなかったのか、その疑問に拘ってしまう。

 市長賞「はい」。夫自慢と仕事の苦労が素直に描かれ、気持ちの良い余韻が残る。

 

◯木津川先生

 最終選考まで残った作品はどれも水準の高いものでした。

 「知子のネクタイ」は父娘の愛が一本のネクタイを軸によく描けています。娘に贈られたネクタイを御生大事にした父です。お母さんを書けていたらさらに深みが増したでしょう。

 「銀河とマフラー」は特攻で飛び発った少尉への淡く熱い思いでした。戦争のない平和な日本をと言い残した言葉の重みです。

 「クリスマスプレゼント」は英語の嫌いな男の子を好きな教科にさせた塾の女教師の思い出です。ある日、その子がひざ掛け毛布を贈ってくれたのです。忘れられない喜びです。

 泉大津市長賞の「はい」は親思いの夫を助け、ミシンを40年踏み続けた働き者の妻の悔いのない幸せな老後をよく描きました。

 選外にはなりましたが、私は「寸足らずの振り袖」を捨て難く思ったのです。成人式に寸足らずの振り袖を着て亡き祖母の思いに応えた孫娘に感動したのです。

 

◯眉村先生

「知子のネクタイ」=別れて暮らす父親に贈ったネクタイ。そのネクタイを愛用する父親のこと。要領のよい語り口の中に、読む者の共感を誘う。

「銀河とマフラー」=これまでにしばしば語られた型の話と言わなければならない。しかしやはり、もっと語られてもいいのではないかという気がする。

「クリスマスプレゼント」=こんなにうまくいくものだろうか、とか、なぜ心が通じ合ったのか、とか、思ったのは事実ながら、前向きのサクセスストーリーなのに惹かれた。

「糸屑」=健気な老夫婦。頑張る妻と作者の触れ合いがうれしい。作者は糸屑に感情を重ねた。

「長暖簾」=修学旅行の費用のために母は息子を連れて質屋に行った。今還暦を過ぎた作者は、逝ったおとう、おかんに呼びかける。

「ゾウのTシャツ」=療養生活の中、昔彼女に贈られたTシャツを見て…。

 

◯有栖川先生

 最優秀作の「知子のネクタイ」は、作者自身や父だけではなく、その周囲の人たちの人生も鮮やかに描き出しており、読後の余韻も深い。

 貴重な歴史の証言を含む「銀河とマフラー」は、限られた枚数でこれだけ多くのことを書き切っており、文章もよく磨かれている。

 「クリスマスプレゼント」は、師弟の交流が微笑ましいが、「馬が合う」で片づけられた箇所が書き込まれていれば、なおよかった。

 さりげなく技巧を凝らした「糸屑」は随筆でありながら掌編小説としても読める。

 「長暖簾」は、質屋の場面で情景が目に浮かんだ。

 「ゾウのTシャツ」は、Tシャツのゾウに想いを仮託することで作品にも力が宿った。

 昨年に勝るとも劣らず候補作のレベルが高かった。選に漏れた中にもよい作品がたくさんあったことをお伝えしておきたい。

第5回「泉大津市オリアム随筆(エッセイ)賞」受賞作品

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