第4回「泉大津市オリアム随筆(エッセイ)賞」が決定しました!

 衣服や繊維製品にまつわる思い出、感動したことなどをテーマとしたエッセイで「繊維のまち・泉大津」を広くPRするために創設した第4回「泉大津市オリアム随筆(エッセイ)賞」の受賞作品が、海外を含む全国から応募のあった407点の作品の中から選考されました。
 選考は、作家の難波利三氏、眉村卓氏、有栖川有栖氏、関西発の上方芸能の専門誌として有名な「上方芸能」発行人の木津川計氏の4氏により行われ、白熱した議論が交わされました。
 最優秀賞(オリアム随筆賞)を含む上位6作品と泉大津市民から選出される特別賞「泉大津市長賞」1作品の計7作品の授賞作品を最終決定し、上位3作品は「上方芸能3月号」(平成28年2月発行)に掲載予定です。
 なお、受賞者の表彰式は、平成28年3月13日(日曜日)にテクスピア大阪(泉大津市旭町22-45)で行われ、受賞者に各賞が授与された後、審査委員をパネリストに迎えた文学フォーラム「オリアムエッセイ教室」もあわせて開催されます。関西を代表する文化人が一堂に会し、エッセイの書き方や楽しみ方を講演していただきます。
 受賞者は次のとおり。(敬称略)

第4回「泉大津市オリアム随筆(エッセイ)賞」 受賞者一覧

◆最優秀賞(オリアム随筆賞)
  『カーディガンへの想い』
   飯田 みゆき(85) 静岡県磐田市

◆優秀賞
  『おばあちゃんのちょっき』
   森川 詩穂(32) 鳥取県岩美郡 

◆優秀賞
  『青いセーター』
   末岡 美奈子(52) 東京都江東区

◆佳作
  『命のカーディガン』
   矢野 耕太(55) 東京都八王子市

◆佳作
  『寒くなったら』
   熊谷 佳代(43) 奈良県香芝市

◆佳作
  『梅酢色の木綿』
   川辺 昭典(62) 東京都台東区

◆泉大津市長賞(特別賞)
  『くまさんの毛布』
   東 有可(26) 泉大津市

選考会の様子

左から、有栖川有栖氏、難波利三氏、木津川計氏、眉村卓氏

 

選考委員による選評

 

◯作家 難波利三 氏 

 最優秀賞「カーディガンへの想い」は全編リアリティに溢れ、胸の詰まる部分もあり、戦争の無残さを改めて思い知らされる。平和と飽食にどっぷり浸かる若者達に、こんな時代もあったのだと、ぜひ読ませたい気がする。「膝に転がる夢の名残の毛糸の玉」が命あるもののように世間の荒波を潜り抜け、やっと安住の場を得たようで愛しくなる。

 優秀賞「青いセーター」。父と娘に通う情愛が青いセーターに凝縮されて麗しく伝わる。

 同「おばあちゃんのちょっき」。今日的な問題をはらむ老夫婦の末路が切なく心に迫る。

 佳作「梅酢色の木綿」。泉州木綿の特異な使われ方に驚嘆、史実としても貴重だろう。

 同「寒くなったら」。子を持つ今、防寒より暖かい母の真意に気付く。読後感が爽やか。

 同「命のカーディガン」。母の内職のお陰で命を救われた私。感謝の気持ちが充満する。

 市長賞「くまさんの毛布」。若い女性らしく明るい内容で、オチも決まって微笑ましい。

 

◯『上方芸能』発行人 木津川計 氏

 選者四人の推した作品が「カーディガンへの想い」でした。戦中戦後の苦しみに耐えた女性への想い出と、彼女から貰ったカーディガンへの思いがよく重なる、大賞にふさわしい内容でした。

 認知症になった祖母を懸命に介護した祖父。「おばあちゃんのちょっき」の夫婦愛に感銘。

 父と娘のこころ温まる贈り合いが「青いセーター」です。小意気な短篇の味です。

 母への感謝と家族の愛情、「命のカーディガン」にこころを打たれました。推した作品。

 子を思う母の気持ちを「寒くなったら」はよく描きました。やはり私が推した作品です。

 送り出した兵たちは無事に復員したかを案じて「梅酢色の木綿」も力作。推した作品。

 市長賞の「くまさんの毛布」は泉大津にふさわしいあったかい作品でした。

 「オリアム随筆賞」への応募作品が年毎に増えていきます。うれしいことです。それにつれ内容も水準を高めています。ますます影響力を強めますように願うものです。

 

◯作家 眉村卓 氏

「カーディガンへの想い」=世の移り変わりの中での、人間の生き方というものを、しみじみと思わせてくれた。

「おばあちゃんのちょっき」=編物をいわば自分の存在証明にしていた祖母のことがよく語られている。

「青いセーター」=終活をしながらも、心の底ではまだ希望を捨てなかったらしい父の残したセーターが、届けられた。

「命のカーディガン」=母が編んでくれたカーディガンのおかげで助かった私。

「寒くなったら」=自分の子供が小学生になってから初めて悟った、母の昔の本心。

「梅酢色の木綿」=母が死んでから聞いた、かつて母が兵士たちに贈った布のこと。

 それぞれ、いい材料を工夫して展開しているのに感心したが、同時に、人生というものの中での、作者の考え方や感じ方が出ていて、読んでいるこちらも得るところが多かったような気がする。

 

◯作家 有栖川有栖 氏

 「カーディガンへの想い」は、「次代に語り残したい」という想いから終戦直後の体験がしっかりとした筆致でまとめ上げられており、描かれている細部も興味深く、最優秀賞作にふさわしい。父の終活の果てに遺されたものが胸に迫る「青いセーター」、亡き祖父と認知症の祖母へのまなざしが優しい「おばあちゃんのちょっき」がそれに次ぐ、という結果になったが、どの作品も味わい深いため甲乙つけがたく、選考に苦労した。

 「命のカーディガン」は、読み終えた後で一行目に戻ると感動がぐっと強まる。「寒くなったら」は、作中の母の言葉にこめられた意味を作者が知る瞬間が素晴らしい。「梅酢色の木綿」の作者は、書いておくべきことをしっかりと私たちに伝えてくれた。

 泉大津市長賞に決まった「くまさんの毛布」は、個人の想い出のようでいて普遍性を持つところがおもしろく、好もしい。

 今回の候補作はレベルが高かった。

第4回「泉大津市オリアム随筆(エッセイ)賞」受賞作品

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