2019年度(平成31年度)施政方針

 平成31年第1回市議会定例会で、南出市長は2019年度(平成31年度)の市政の基本方針となる施政方針を発表しました。 

施政方針

 平成31年泉大津市議会第1回定例会の貴重なお時間をいただき、2019年度の市政運営の基本方針を申し述べる機会をいただきましたことに対し、感謝を申し上げますとともに、議員各位並びに市民の皆様にご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 『まちの可能性を最大限に引き出し、持続可能な質の高い行政サービスを実現する』

 2019年度の市政運営にあたっての志であります。

 2015年9月国連サミットにおいて「持続可能な開発目標(SDGs)」が全会一致で採択されました。SDGsでは、すべての人への健康的な生活の確保や持続的な経済成長、気候変動への具体的な対策など、2016年から2030年の15年間で取り組むべき17の目標を定めており、地球環境や経済活動など我々人類の営みを持続可能なものとするために、世界各国が取り組むよう求められています。

 日本では、少子高齢化や地方の過疎化など、今の社会では十分に対応することが困難な課題があります。これらの社会的課題の解決と経済発展をIOTや人工知能(AI)を活用して両立する、人間中心の社会「Society5.0」が提唱されました。これはSDGsの達成にも通ずるものであり、課題先進国である日本が世界に先駆けて模範となる持続可能な社会を構築するための挑戦です。

 一方で、人口減少や相次ぐ大規模な自然災害の発生など、これまでの常識や考え方が通用しない「不確実性の時代」になってきています。こういった時代に対応するためにも、待ちの姿勢ではない、先駆けた取組みが重要になってまいります。

 元来、日本は世界に先駆けて、その能力をもってその時々の社会課題を解決してきました。

 18世紀、100万人を超える大都市であった江戸は、すでに高度な循環型社会が形成されており、世界でも類を見ないごみのないまちでした。し尿や灰などの廃棄物は農村で肥料としてリサイクルされ、ヨーロッパで猛威をふるったペストやコレラといった伝染病の抑制にもなっていました。また、都市から出たし尿や灰は肥料として農家に引き取られるだけでなく、金銭や野菜と取引交換され、経済と環境の好循環が生まれていました。

 また、現代、世界でも有数の大企業であるトヨタは「資源問題と環境対応に何らかの解答を出す」との考えのもと、市販車の中では驚異的な燃費を実現した次世代エコカーとして、世界初の量産型ハイブリット乗用車を開発しました。

 そして、OECD(経済協力開発機構)が15歳の生徒を対象に行っている「生徒の学習到達度調査」。2015年に初めて「協同問題解決能力調査」が行われ、その国際結果の概要が2017年11月、国立教育政策研究所から公表されました。日本の次世代を担う生徒たちはこの能力が、32か国あるOECD加盟国の中で第1位。

 歴史をひも解いてみても、未来を見つめてみても、我々日本人はその優れた知恵と能力を世界に提供する使命を持っています。私はこの日本人の能力や可能性をこの地、泉大津市を起点に引き出したい。この強い思いから各種新しいかたちの官民連携、各種施策の立案も手掛けてきました。

 2018年7月、安倍内閣総理大臣は「人口減少が深刻化し、高齢者人口がピークを迎える2040年頃から逆算し顕在化する諸課題に対応する観点から、圏域における地方公共団体の協力関係、公・共・私のベストミックス、その他地方行政体制の在り方」について、内閣総理大臣の諮問機関、「地方制度調査会」に調査審議を求めました。

 本年2月、本市はこの地方制度調査会の調査先に指名され、調査会委員、国、府の視察団が本市を訪れました。調査検討内容は「2040年頃の自治体が抱える課題の整理」と「住み働き、新たな価値を生み出す場である自治体の多様性を高める方策」について。

 地方自治体を代表し、地方制度の重要事項の調査審議を任務とする地方制度調査会と同じ課題認識に立ち、侃々諤々と意見交換ができたことは、本市が推進する施策への力強い後押しになるものと期待します。

 このまちの潜在能力を引き出したい、このまちに暮らす人々に潜む能力と可能性を引き出したい、有用な課題解決のための選択肢を可能な限り用意したい。2019年度もその志を一ミリも一瞬たりともぶれることなく継続していく所存です。

 それでは、まちの可能性を最大限に引き出し、持続可能な質の高い行政サービスを実現するための2019年度の主要事業を、「第4次泉大津市総合計画」の基本計画に掲げます7つの政策分野に沿って、ご説明いたします。

 

 1点目「力を合わせて市民の笑顔があふれるまちづくり」についてでございます。

 急速に進展するグローバル化において、相手との価値観や特性の差異を理解し、互いの強みを活かすことで、新しい価値を生み出せる人材を育成することが必要です。そういった人材育成には最先端のテクノロジーをはじめとした様々なリソースが必要となるため、民間とのパートナーシップを強化し、人材育成を推進します。

 はじめに、最先端のグローバル教育に関するノウハウを持つ民間企業をパートナーに迎え、海外に行かなくても市内でグローバル教育が受けられる環境を整備します。また、グローバルに活躍するため、共通言語と言われるプログラミングに触れるきっかけづくりをグローバルなフィールドで活躍する企業と官民連携で実施します。

 さらに、国内だけでなく海外連携としては、グレーター・ジローン市のノースジローンセカンダリーカリッジの学生を招き、本市の中学生と交流することで、グローバル化の進展に対応できる人材を育成します。

 本年、本市に開設が予定されている日本語学校には目的意識を持った諸外国の若者が多く集まります。現代のグローバル社会において、人が集まり、交流することはまちの継続的な発展の活力となるものと期待します。

 加えて、地域住民が自ら考え、課題を解決できる仕組みを提供するため、共感した人から広く資金を集める方法(クラウドファンディング)により、市民公益活動団体が資金調達を可能とする枠組みを創設します。

 

 2点目「学びあうひとづくり 彩りあるまちづくり」についてでございます。

 近年、これまでとは質的にも量的にも異なる新しい知識、情報、技術が、政治、経済、文化をはじめ、あらゆる領域で活動の基盤として重要性を増す一方で、これまでの考え方や手法が通用しない社会になってきています。こういった社会を生き抜くための多様な学びと可能性を引き出す取組みを推進します。

 はじめに、様々な教育課題の解決に向けた「教育みらい構想」の策定過程で検討を行ってきた小中一貫校の実施については、2020年度、小津中学校区に施設分離型の小中一貫校の設置をめざすこととし、まずは2019年度において、9年間を通したカリキュラムの開発に取り組むとともに、教員のスキルアップを図ります。また、小津中学校区には、本年1月にコミュニティスクールが導入されており、校区のめざす子ども像を共有するとともに、学校と地域が連携・協働することにより、地域とともにある学校づくりと学校を核とした地域づくりを推進します。

 また、先進的な技術や取組みに触れる講演会等を実施することでIOT等に関心を持つ機会を提供するとともに、ブレインブースト読書教室を拡充し、さらなる能力開発を推進します。

 さらに、「読書量日本一のまちづくり」に向けた環境整備を進めます。2021年4月の開館をめざし市立図書館を泉大津駅前の商業施設アルザ泉大津4階に移転・整備します。そのために2019年度は設計業務を実施し、知の拠点として図書館機能の強化を図るとともに、本市の魅力発信機能や交流、イノベーションを生み出す機能の整備を検討していきます。あわせて、新図書館を核とした小・中学校や社会教育施設、地域の施設などと、本、システム、人材のネットワークを形成し、市民が必要なときに本に触れ、自らが学ぶ機会を得られるように本市の地域全体をまちぐるみ図書館とする取組みを進めます。

 加えて、全員喫食の中学校給食を9月から実施し、小・中学校を通して栄養バランスの整った食事を提供するとともに、食に関する正しい理解を深め、学校生活を豊かにし、望ましい食習慣と明るい社交性及び協同の精神を養います。

 そして、地域の歴史啓発と魅力を発信するため、泉州地域の方言である「泉州弁」のうち泉大津中心に使用されることばを、市のキャラクターである「おづみん」を使って紹介するかるたを作成し織編館などで一般に販売するほか、小中学校等では地域の歴史学習教材として利用します。

 

 3点目「誰もがすこやかにいきいきと暮らせるまちづくり」についてでございます。

 健康な体の維持には、幼児期から老年期までいずれの時期にもあしゆびを強化することが効果的と考えられ、本市では、2018年度より「あしゆびプロジェクト」を展開し、子どもたちが本来持つ身体能力の向上や高齢者の身体機能の回復、健康寿命の延伸に取り組んでいます。

 2025年、人類共通の課題解決に向け、先端技術など世界の英知を集め新たなアイデアを創造・発信する万博が大阪を舞台に開催されます。本市の取組みが、相乗効果を発揮するため、2019年度も一歩進んだ新たな取組みを進めてまいります。

 そこで2019年度は、あしゆびを含めた体幹強化に向け、公立認定こども園3園に人工芝スペースを造り、幼児期に裸足で遊びまわる機会を増やし、小中学校では体幹強化プログラムを作成します。

 さらに、あしゆびプロジェクトの推進に合わせ、毛布とともに歩んできた本市の歴史のPRに向け、毛布のヘリを再利用して作る「モフ草履」の普及活動を展開し、モフ草履を作成することができる市民をアンバサダーに任命してモフ草履講座を開催します。

 

 4点目「安全で心やすらぐまちづくり」についてでございます。

 市内においても多大な被害をもたらした2018年台風第21 号をはじめ、近年増加傾向にある自然災害への対策は、世間の関心が高まった災害直後の取組みだけではなく、「自助」「共助」「公助」を組み合わせた災害への備えが重要です。

 はじめに、地域防災計画については、2015年3月の修正以降に発生した地震や台風等による豪雨・強風などに関連する知見や災害教訓等の情報を整理するとともに、最新の国や府の計画との整合を図るため、計画の見直しを図ります。また、計画的な災害対策用備蓄物資の整備、各種防災訓練の実施等により、防災力の更なる向上をめざします。

 さらに、被災時に課題となった情報伝達手段等については、更なるSNS等の活用を含め、多種多様な手段による課題解決策を研究してまいります。

 加えて、大雨時に度々浸水の発生する地域の浸水対策として、泉大津中央線の泉大津高校西詰から南海中央線までの間に雨水管渠を整備するため、2019年度は、実施設計を行います。

 そして、犯罪を未然に防ぎ、安全・安心なまちづくりを推進するために、これまでも自治会が自主的に行う防犯カメラの設置費用の一部を助成するとともに、市内公共施設等への防犯カメラの設置を進めてまいりました。2019年度からは、より継続的に効果を出せるよう、自治会が設置した防犯カメラの維持費等に係る経費についても助成制度を新設します。また、公用車の事故発生時の原因究明並びに事故等に係る責任所在を明確にすることに加え、市内を移動する防犯カメラとしての役割も期待し、公用車にドライブレコーダーを設置します。

 

 5点目「コンパクトで居心地のよいまちづくり」についてでございます。

 人口減少や少子高齢化といった社会環境の変化の中で、引き続きあらゆる世代が安心で快適に生活できる環境を整備し、持続可能なまちづくりをめざします。

 はじめに、市民会館等跡地については、健康に関する課題を解決するフィールドとして活用するため、公民連携手法により民間事業者が持つノウハウを活用した施設整備、施設運営をめざしてまいります。

 また、人口減少、少子高齢化社会において持続可能な都市経営を行うため、住宅及び医療・福祉・商業等の都市施設の適正な立地に向けた立地適正化計画を策定します。

 さらに、泉大津駅西地区の活性化、歩行者・自転車の安全性の向上、災害時における避難路や緊急車両の通行路の確保等を図るために泉大津駅前通り線や市道泉大津駅臨海連絡線等の歩行者空間の整備を進めます。

 加えて、臨海部における企業の集積や内陸部との交流を促進するため、新たな交通体系の構築とともに、北助松駅周辺の北部地域における交通の混雑状況の改善に向け、最適な対策について検討を行います。

 そして、泉大津駅北側の南海本線高架下を広場として整備し、市民に新たな憩いの場を提供するとともに、駅周辺でのイベント等にも活用できる空間整備を行います。

 本年、堺泉北港は、開港50周年を迎えます。市民に身近で親しまれる港をめざし、大阪府港湾局をはじめ、関係機関と連携して、港湾のにぎわいを創出するイベント等を実施するとともに、堺泉北港における利活用の促進と本市の経済の活性化に向け、国内外に対して広くポートセールスを行います。

 そして、より多くの市民に積極的に清掃活動へ関わってもらえるよう、市民・民間企業に対するごみ拾いアプリ「ピリカ」への登録促進やごみ拾いイベント「スポーツGOMI拾い」の実施等、地域清掃活動の活性化を図ります。

 

 6点目「誇れる・選ばれる・集えるまちづくり」についてでございます。

 経済のグローバル化、慢性的な国内需要不足といった時代の変化に適切に対処し活力に満ちたまちの実現をめざします。

 はじめに、社会環境が大きく変化する中でも、持続的な成長と住民サービスの質の向上を図るための調査研究を引き続き推進します。2019年度は、リビングラボについての調査研究もスタートさせます。

 また、事業者や消費者の利便性の向上、経済のグローバル化への対応を目的に、キャッシュレス決済端末の導入などインフラ整備を進める事業者に対して、泉大津商工会議所と連携して費用の一部を助成することにより、昨今のキャッシュレス化に適応する地域の環境整備を図ります。

 さらに、新規の創業・起業を促すことにより、本市のさらなる地域産業の活性化や、新たな雇用創出を引き出すため、市内の空き店舗等を活用し新たに創業・起業する者に対し、補助要件を見直した、創業支援事業補助金制度を継続して実施します。

 

 7点目「健全な行財政と都市経営に基づく市民サービス」についてでございます。

 人口や生産年齢人口が減少していく中、自治体職員の数も減少せざるを得ない時代が迫りつつあります。総務省が設置する「自治体戦略2040構想研究会」においても、人口10万人未満の自治体における一般行政部門の2040年の職員数は、2013年に比べて17%減少すると試算した結果が示されています。すでに、一般行政部門の職員数が類似団体に比べ28%少ない本市において、市民サービスを維持・向上させるには、業務の効率化や新たな課題に的確に対応できる人材の確保・育成が必須になってきます。

 はじめに、本年度実施した業務プロセス・課題等の可視化やその改善策の検討結果を踏まえて、ICTの活用などによる業務改革を推進します。

 また、市民や民間事業者とともに地域課題を解決できる「次世代のリーダー」となる職員の育成をめざした研修を実施します。

 さらに、本市のまちづくりに主体的に取り組み貢献できる人材を育成し、将来有望な人材を獲得するため、長期インターンシップを強化・推進するとともに、インターンシップの一環として、若い世代がまちづくりに興味をもち、考え、積極的に意見を伝えられる機会を創出するため、本市に在住・在学する学生により構成する学生会議の運営に取り組みます。

 加えて、全国のコンビニエンスストア等の専用端末で、マイナンバーカードを使って、住民票の写し、課税証明等が取得できるサービスを5月1日から実施し、市民の利便性の向上を図ります。

 

<平成31年度当初予算案について>

平成31年度当初予算案につきましては、

【平成31年度当初予算案】
〇一般会計 270億4,077万円 (対前年度比3.0%増)
〇特別会計(国民健康保険事業特別会計 外4特別会計) 195億1,526万円 (対前年度比0.8%減)
〇水道事業会計 22億 977万円 (対前年度比1.4%減)
〇病院事業会計 68億3,755万円 (対前年度比2.9%増)
〇全会計合計  556億   335万円 (対前年度比1.5%増)

でございます。

 

 以上が2019年度に向けての私の市政運営の基本方針ですが、結びにあたりまして、市民の皆様に昨年と同様のお願いがあります。それは、市民運動としての「あいさつ」と主要事業に掲げています清掃活動、「ごみ拾い」です。「人と人のつながりを大切にする」「まちを綺麗にする」まちづくりを基本とし、誰もが緩やかに関われるまちづくりを大切にしたく思います。

 「一燈照隅 万燈照国」

 一人一人が自分の身近な一隅を照らす。一人のあかりは小さくとも、一隅を照らす人が増え、万のあかりとなれば、国全体を照らすことが出来る。この言葉の意味を職員、市民の皆様と共有をしながら、ともに楽しく明るいまちづくりを通じて、元気な泉大津の実現に向けて邁進する所存です。

 市民の皆様ならびに議員の皆様におかれましては、格段のご支援・ご協力をいただきますよう、心からお願い申し上げまして、私の施政方針と、2019年度の取組みおよび当初予算案についての説明といたします。

 平成31年2月26日

 泉大津市長 南出 賢一

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