平成30年度施政方針

 平成30年第1回市議会定例会で、南出市長は平成30年度の市政の基本方針となる施政方針を発表しました。 

施政方針

 平成30年泉大津市議会第1回定例会の貴重なお時間をいただき、平成30年度の市政運営方針を申し述べる機会をいただきましたことに対し、感謝を申し上げますとともに、議員各位並びに市民の皆様にご理解とご協力を賜りたいと存じます。

『時代の変化に臆せず、挑戦し、生き残るための基盤を築く。』

 平成30年度の市政運営にあたっての志であります。近代国家を切り拓いた明治維新から150年。今、世の中の枠組みが大きく変化し、既存の考え方が通用しない歴史的な転換期を迎えています。

 産業構造は「モノ」の生産を中心とした形から、人工知能技術やIOTなどのコンピュータを基盤にした情報・ネットワークを核とした形へと転換し、身近な生活の中では情報通信技術を活用した電子マネー(フィンテックサービス)がコンビニエンスストアや電車、コインパーキングや自動販売機などでも日常的に利用されるようになり、社会生活に大きな変化をもたらしています。

 2011年、日本と同じモノづくり大国であるドイツは、「工業のデジタル化によって生産性を向上させる国家プロジェクト(インダストリー4.0)」を開始しました。この国家戦略は、モノづくりの現場の生産性を向上させるためだけのものではありません。少子高齢化による労働人口の減少、経済の持続的発展や中小企業の生き残りなど、課題や社会の変化に対応し、グローバル化の中で生き残るためのドイツの挑戦でもあります。

 日本においても少子高齢化、人口減少による働き手不足などの人口構造の変化、諸外国の人工知能(AI)やIOTなどを活用した社会変革の動きを受け、2016年、国はロボット・人工知能(AI)・IOTなどの新たな技術をあらゆる産業や社会生活に取り入れて、社会的課題を解決する「新たな社会の実現(ソサエティ 5.0)」を打ち出しました。

 また、2017年7月には、地域未来投資促進法が施行されました。これは地域の成長エンジンを官民連携してつくることを国がサポートする制度で、「国は最後までの責任は持てない。自分たちで稼ぐ力を備えなさい。」というメッセージとも受け取れます。従来の地方交付税などによる補てんという「与えられる経営」から「地域で創る・地域で稼ぐ」という自立した地域経営への転換が求められており、自分たちで歳入を増やす仕組みをつくれない自治体は生き残っていけない時代になってきています。

 全国の状況を見渡せば、施策の同一化が進み、それぞれの自治体の特色が薄れ、単なる自治体間サービス競争がより一層過熱しています。この流れに呑み込まれている限りは早晩、本市の財政運営は立ち行かなくなることは明らかです。今後は、前例や慣習にとらわれず、いかにして市民サービスを維持・向上させながら、持続可能な経営基盤、つまり生き残るための基盤づくりを進めるかが大きな課題であり、市役所や施策のあり方、考え方が問われています。

 こうした歴史的な転換期の中で生き残るための基盤づくりを進めるためのコンセプト。それは「人材を育てる、能力を引き出す」、「地の利、人の利、時の利を活かす」です。

 人生は100年時代に突入したとも言われています。これからは人を大切にすることがより大切な時代となります。人が持つ能力や可能性を最大限に引き出すこと、身体機能を回復・維持・向上させ健康寿命を延ばすこと、こうした取組みを着実に実行していきます。地域リーダーを育成・発掘し地域活動支援施策を拡大するなど、市民活動を活発化させ、地域の課題を地域で解決する機運を高めてまいりたいと考えています。

 また、本市は大阪市内、関西国際空港から電車で20分、近畿の主要都市までは、高速道路で概ね1時間以内でアクセスでき、国際港湾を有し、泉大津フェニックスには関西ベイエリア最大の未利用空間があり、また泉大津と北九州を結ぶフェリーもあります。「関西のへそ」であり「アジアのハブ」となり得る可能性を秘めた地域です。この地政学的な優位性を活かして人のつながりや時代の先を読んだ技術を持った人や企業が集まれば、地の利・人の利・時の利を活かした、特色のある市民サービスやまちの発展に資する取組みを実現することが可能です。

 それでは、時代の変化に臆せず、前例や慣習にとらわれず挑戦し、生き残るための基盤を築くための平成30年度の主要事業を、「第4次泉大津市総合計画」の基本計画に掲げます7つの政策分野に沿って、ご説明いたします。
 

 1点目「力を合わせて市民の笑顔があふれるまちづくり」についてでございます。

 この地で創業120年以上の歴史をもつ深喜毛織株式会社。「これからの市の発展向上に寄与する人材育成を図るために」と設置された深喜人材育成基金を活用し、次の時代を担う人材を育成します。

 はじめに、セブ島などで実施しておりました海外での「語学研修事業」を、海外の学生とともに学び、主体的に考える能力やコミュニケーション能力を培い、世界の中で力強く生き抜くための研修、「グローバル人材育成事業」に再編します。

 また、中断していたグレータージローン市との中学生の交流を復活させます。

 自分たちのアイデンティティを大切にしながら、多様な価値観・習慣・文化を尊重し、これからの国際化・グローバル化の進展に対応できる人材を育成します。
 

 2点目「学びあうひとづくり 彩りあるまちづくり」についてでございます。

 「今10歳の日本のこどもは100歳まで生きる。」英国のリンダ・グラットン教授のこの展望をうけ、昨年9月、政府は人生100年時代構想会議をスタートしています。

 人生100年時代。未来を豊かに生き抜く、多様な学びと可能性を引き出す取組みを推進します。

 はじめに、本市全体の小中一貫教育やコミュニティスクールのあり方など、これからの教育環境の変化を見据えた「教育みらい構想」の策定を進めます。

 また、子どもたちの論理的思考の育成を目指す「プログラミング教育」の充実や、能力開発に取り組む事業の実施など、先端的かつ多様な学びの機会を創ります。

 さらに、生徒に栄養バランスの整った食事を提供するとともに、食に対する意識と自立する力を高め、食に関する正しい知識を習得し、適切な判断を行う知識を身に付ける食育の更なる推進を図るため、中学校給食実施に向けた配膳室の整備を進めます。

 加えて、魅力ある図書館実現のため、泉大津駅前への移転も視野に入れた、「読書量日本一のまちづくり」に向けて、整備方法やこれからの図書館サービスのあり方について構想を描いてまいります。
 

 3点目「誰もがすこやかにいきいきと暮らせるまちづくり」についてでございます。

 100年後も元気で活力のあるまちであるために、0歳から100歳までの健康づくりや子育てを応援します。

 「足部を強化する。」子ども達の本来持つ身体機能の向上、高齢者の身体機能の回復、健康寿命の延伸を目的に「あしゆびプロジェクト」を展開します。

 また、4月から子ども医療費助成の通院の対象年齢を引き上げ、入院・通院とも中学校3年生までとし、未来を担う子ども達の健康と子育てを応援します。

 さらに、マイナンバーカードを活用し、児童手当の申請手続きなどが簡単にできる「子育てワンストップサービス」に対応した環境整備も進め、忙しい子育て家庭の負担を軽減します。

 加えて、健康診査やがん検診は、WEB予約システムを導入し、24時間体制で予約や変更を可能とすることで、利便性の向上を図ります。これにより働き盛りの壮年期や若年層の受診拡大が期待できることに加え、お知らせ機能などにより、タイムリーで経年的な受診勧奨につなげることで、健康寿命の延伸を目指します。

 胃がん検診はこれまでの集団検査によるエックス線検査に加え、個別検診による内視鏡検査を新たに導入し、受診しやすい体制づくりとがん検診の受診率の向上を図り、市民の皆様の健康づくりを応援します。
 

 4点目「安全で心やすらぐまちづくり」についてでございます。

 江戸時代にまちを火災から守る消防組織としてつくられた町火消が消防団の前身であると言われています。本市でも「自分たちのまちは自分たちで守る」この想いが現代へと受け継がれています。100年後も安全で心安らぐまちであるためにこの思いを未来まで引き継いでいきます。

 そのため、地域に密着した消防団の活動能力の向上と、組織活性化のため、活動拠点となる消防団屯所を整備します。

 また、犯罪を未然に防ぎ、安全・安心なまちづくりを推進するために、自治会が自主的に行う防犯カメラの設置費用の一部を助成するとともに、市においても公共施設への設置を推進してまいります。
 

 5点目「コンパクトで居心地のよいまちづくり」についてでございます。

 100年後も居心地のよいまちであるために、まちの特徴を活かし、まちの可能性を伸ばします。

 はじめに、市民会館跡地等活用事業です。コンパクトな市域において、市民会館及び消防本部庁舎等跡地、39,400平方メートルの土地は貴重な開発空間です。少子高齢化や地域経済の活性化など、本市が抱える諸課題の解決とまちの発展に資する活用に向けて、その可能性や事業手法について、調査検討を行い、基本計画を策定します。

 また、泉大津駅西地区の活性化、歩行者・自転車の安全性の向上、災害時における避難路や緊急車両の通行路の確保などを図るために泉大津駅前通り線事業に着手します。

 さらに、全国で社会課題となっているあき家・あき店舗などを資源と捉え、利活用の手法を市民へ促すため、モデル事業として「起業の支援」、「若者の定住」の助成事業を行います。

 加えて、地域の特性やニーズを踏まえた賑わいの創出や魅力的な特色のある公園のあり方を示す公園整備マスタープランを策定します。

 大津川緑地は、市街地が多い市域の中で、自然を感じることができる数少ない場所として、散歩やウォーキング、ランニングなど多くの市民に親しまれています。市民参加の清掃活動や距離表示を行うなど、快適で利用しやすい園路整備を行います。
 

 6点目「誇れる・選ばれる・集えるまちづくり」についてでございます。

 本市が人々から企業から世界から選ばれ、100年後も人々が集うまちであり続けるために、まちの可能性や魅力を引き出し、人々から企業から世界から選ばれるまちづくりを進めます。

 はじめに、元気な泉大津づくり政策研究事業を拡充いたします。世界的にもまれな急激な人口減少・高齢化に直面する中で、市民サービスの維持・向上を図るため、先進的な取組事例の調査・研究、職員の意識改革や事業の見直し、また地域人材の育成を図るために、研究・研修の充実強化と専門的講師や外部有識者の知見を活用し、持続的な成長と住民サービスの質の向上を図ります。

 また、市の資源とIT企業が有する技術を有効活用するための連携を深め、訪日外国人や在日外国人へのコミュニケーション支援事業の実証実験を行い地域の活性化を図ります。また、諸外国などで急速に普及し、わが国においても環境整備が求められつつあるキャッシュレス化に対し、本市域の経済の活性化へとつなげていくため、産業界とともに調査・研究を進めてまいります。

 さらに、新たな創業支援事業もスタートさせます。新規の創業・起業を促すことで、本市の更なる地域産業の活性化や新たな雇用を創出するため、本市内の空き店舗などを活用し、新たに創業・起業する者に対し、創業支援事業補助金を交付します。

 加えて、今年度に募集した謎の羊バンド~The Blankets~のプロモーションビデオやポスターなどを制作し、イベントやHP・SNSも利用することで国内外に発信し、都市ブランド力や市民のシビックプライド、泉大津市に住んでいることに対する誇りや愛着を高め、人・モノ・情報が活発に行き交う、元気で活力のある泉大津をつくります。
 

 7点目「健全な行財政と都市経営に基づく市民サービス」についてでございます。

 あらゆる業界で今、人手不足が深刻化しています。国立社会保障・人口問題研究所の推計による本市人口ビジョンでは2015年と比較した2040年の生産年齢人口は▲25%と急減します。深刻化する人手不足にどのように立ち向かうか、行財政運営の大きな課題です。

 行政改革を熟慮断行し、効率的で生産性の高い行財政運営を目指します。

 はじめに、働き方改革の推進に向けた業務改革を実施するために、既存事業を見直し、最適なアウトソーシング形態の活用、RPA(ロボテック・プロセス・オートメーション)やIOTなどのテクノロジーの導入可能性などの検討を進めます。

 また、公務用パソコンの無線化を活用し、ペーパーレス化を推進し、紙資料の削減と生産性の向上を図ります。

 さらに、市民の利便性向上のため、マイナンバーカードを活用した、住民票、課税証明書などのコンビニ交付サービスと市税のクレジットカード収納を平成31年度中のサービス開始を視野に準備を進めます。

 

<平成30年度当初予算案について>

平成30年度当初予算案につきましては、

【平成30年度当初予算案】
〇一般会計 262億4,748万円 (対前年度比0.5%減)
〇特別会計(国民健康保険特別会計 外5特別会計) 196億6,888万円 (対前年度比7.5%減)
〇水道事業会計 22億3,592万円 (対前年度比8.0%減)
〇病院事業会計 66億4,790万円 (対前年度比0.8%増)
〇全会計合計  548億    18万円 (対前年度比3.3%減)

でございます。

 以上が平成30年度に向けての私の施政運営の方針ですが、結びにあたりまして、市民の皆様にもお願いがあります。それは、市民運動としての「あいさつ」と「ごみ拾い」です。社会が大きく転換する時代において、まちづくりの基本に立ち返り、「人と人のつながりを大切にする」、「まちを綺麗にする」まちづくりが何よりも重要です。人と人のつながりは財産です。つながりの第一歩はあいさつから始まります。

 また、人と人とが生み出す力は無限大であり、綺麗なまちづくりは皆の手でできることから、ごみ拾いをその第一歩として始めたいと思います。

 「あいさつ」と「ごみ拾い」が市民運動に発展するような、人が生み出す力を最大限に生かしたまちづくりを進めていきたく、市民の皆様にお力添えをいただきたいと考えております。市民の皆様とともに楽しく明るいまちづくりを通じて元気な泉大津の実現に向けて邁進する所存です。

 市民の皆様並びに議員の皆様におかれましては、格段のご支援・ご協力をいただきますよう、心からお願い申し上げまして、私の施政方針と、平成30年度の取組みおよび当初予算案についての説明といたします。

 平成30年2月27日

 泉大津市長 南出 賢一

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