所信表明

南出賢一市長の所信表明を以下に掲載します。
なお、最下部からPDFファイルでダウンロードしていただけます。

所信表明

 本日開会の平成29年第1回泉大津市議会定例会は、私が市長に就任いたしまして初めての市議会定例会でございますので、市政運営に係る所信の一端を述べさせていただきます。

 私は、昨年12月18日の市長選挙におきまして、市民の皆様の力強いご支援を頂き、これからの4年間、市政を担わせていただくこととなりました。
 その使命の大きさに身の引き締まる思いであり、皆様のご期待に応えられるよう、誠心誠意、全力で取り組む決意でございます。

 さて、世界を見渡しますと、政情が不安定な状態が広がっています。イギリスのEU離脱に始まり、アメリカではトランプ大統領が誕生し、その過激な発言から極端な保護主義への懸念が生じているところです。世界一の人口を有する中国は、経済に不安要素を抱えつつ、国境付近においては軍事力を背景として領土問題を引き起こしています。そして、中東を中心に難民の他国への移動が活発化し、様々な問題が顕在化してきています。
 グローバル化の伸展は、主権国家が自国経済を守るための有効な手段を失う懸念につながり、一旦、混乱に陥った場合には、震源地から発生した混乱がドミノ倒しのように世界中に波及するといった不安要素を抱えていると考えています。日本、そして泉大津市も、こうした世界の動向と無関係ではいられません。アメリカが貿易において保護主義的な姿勢を強めただけでも、日本や泉大津市の経済や社会に大きな影響を与えます。

 そして、日本に焦点を絞りますと、流動する世界情勢への対応とともに、巨額の財政赤字の解消や、デフレの克服による経済成長の実現等、積年の課題にも取り組んでいかなければなりません。また、東京一極集中の傾向が根強く、地方における人口減少が続いていることから、地方創生も待ったなしの課題です。

 泉大津市におきましても、平成19年2月1日現在と平成29年2月1日現在とを比較した、直近10年間の総人口の推移を見ますと、78,441人から75,448人へと2,993人減少しています。
 その内訳は、14歳以下の人口が、13,164人から10,114人に3,050人減少し、15歳から64歳までの生産年齢人口も、51,721人から46,889人に4,832人減少した一方で、65歳以上の高齢者人口は、13,556人から18,445人に4,889人増加し、高齢化率は、17.3%から24.4%へと7.1%上昇しています。
 このように、総人口が減少し、少子・高齢化が進む中で、本市で育った子ども達が、進学や就職をきっかけに本市を離れて都市部へ流出し、本市の担い手が吸い取られていく状態がずっと続いて来ていることに、私は非常に強い危機感を持っています。

 このような状況を、日本の歴史に鑑みますと、江戸幕府と諸藩の関係性が想起されます。江戸時代は今日のように幕府(国)から藩(地方自治体)に対して交付金はありませんでした。逆に、参勤交代等の幕府の命により消費させられる費用が、藩(地方自治体)の財政を圧迫していました。
 よって、全ての藩(地方自治体)にとって、財源を確保すること、そのために産業を育成することが、藩政(市政経営)の至上命題でありました。
 これを遂行するには人材の確保が不可欠であるため、教育に力を入れ、藩校(公立学校)はもちろん、私塾や寺子屋等における教育を奨励したことから、江戸時代の日本人は当時の世界最高水準の教育レベルにあったと言われています。
 また、教育によって、藩主を支える家老クラス(理事者・教育者等)の人材を揃えておかねば藩が破綻することから、高い視座を持って事に当たるリーダーの育成を欠かすことはできませんでした。

 これらを泉大津に置き換えた時に、将来世代にまでしっかりと想いを馳せて、自主財源の確保のための産業の育成と、それを支える高い視座を持って課題に挑む地域リーダーの育成が、これまでできていたか否か、真摯に振り返るべき時期であると考えています。

 泉大津に住み続けたい、恩返しをしたいと思ってもらえる心を育むための教育やまちづくり、地域課題を地域で解決するような仕組づくり、そして産業の育成により、地域に根を下ろして下さる市民を増やしていくための方策を皆様と学び、実行すべく、強い決意で挑む所存でございます。

 本市におきましては、市立病院の経営改革、三宝伸銅や市民会館の跡地の利活用、公共施設を始めとするインフラの更新等、様々な課題を抱えている一方で、国際拠点港湾を有し、関西国際空港や大阪市内、近畿各地へのアクセスに便利な地であることや、南海本線連続立体交差事業の高架下開発、繊維産業の集積、歴史や伝統文化といった様々な資源や可能性がございます。
 そこで、これまで以上に、市の将来を見据えた行財政改革や、人とまちが活気を取り戻すための根本的な対策を進め、泉大津の可能性を最大限引き出して、「将来に希望がもてる、元気な泉大津をつくる」ため、今後4年間の市政運営に係る大きな方針をお示しいたします。

 

まず、1つ目は、「憩いとふれあいのまちづくり」であります。

 市民や民間事業者等のアイデアや活力を生かし、地域に愛され、誰もが集える公園づくりや、まちいっぱいに緑と花を増やすための取組を、中長期で推進してまいります。
 また、地域の代表や学生たちが、地域づくりや市の未来について自ら協議する場を創設し、そこで企画立案された事業については、「がんばろう基金」等を活用して予算を確保し、事業化を支援してまいります。
 さらに、車優先、利便性優先のまちから、歩行者やコミュニティが優先される安全・安心のまちに変えるための取組を、中長期で進めてまいります。

 

2つ目は、「0歳から100歳の人づくり」であります。

 文化やスポーツを振興し、健康寿命を延ばすための環境づくりを、地域と連携して進めてまいります。
 また、民間の人材や教育機関と連携しながら、能力開発の導入等により、子どもたちの可能性を最大限引き出し、生き抜く力を育む教育、道徳心や志、将来の夢や職業観を育む教育を実施してまいります。
 さらに、成長期の生徒に対する食育の観点から、また、家事負担を軽減し、働く女性を応援する観点から、中学校給食につきましても、実施方法に関する調査・研究を行い、その方向性をお示ししてまいります。

 

3つ目は、「地域経済を元気に」であります。

 企業誘致や、起業家育成から起業環境の整備に至るまで一貫してサポートするトータルコーディネート体制の確立をめざし、ワンストップ窓口を開設してまいります。
 地域の歴史、文化、知的財産等を生かして、多様な協働が興り、オープンイノベーションが生まれるまちづくりをめざすため、企業やまちづくり団体等へのインターンシップ制度を創設してまいります。
 また、泉大津フェニックス地区及び旧港地域につきましては、市民の財産となり、且つ、港湾レジャーや社会貢献型産業を創出できるエリアとするためのビジョンを描き、そのグランドデザインの実現に向けて大阪府や国、民間事業者に働きかけてまいります。
 さらに、女性の活躍を応援するため、働きたいと思っている多くの女性が抱えている育児や介護等に関する課題の解消と、家庭と仕事の両立が可能となる「多様な働く場所」「保育と教育の機能を有する場所」の創設を民間事業者、関係機関と連携して実現いたします。

 

 これらの3つの“志”を実現する市政を展開していくためには、行財政改革を一層進め、基盤づくりを行わなければなりません。
 複合化や統廃合による公共施設の適正配置、アウトソーシングや近隣自治体との広域連携による業務の合理化・活性化、インフラの整備や運営におけるPPP(公民連携)制度の導入、市立病院の抜本的な経営改革等を実施し、効率的・効果的な行財政運営を行ってまいります。
 そして、こうした取組を担う人材を確保するため、外部から有能な人材を募り、登用を図るとともに、私の給料を20%、退職金を40%カットし、これを財源として、市に貢献しようとする市民の皆様や市職員の学びを積極的に後押しし、次代を担うリーダーの育成を、中長期で行ってまいります。

 以上、これからの市政運営にあたっての私の所信の一端を申し述べました。
 直ちに取り組めるものから、中長期にわたる取り組みが必要なものまで様々でございますが、これらを着実に実践し、「将来に希望がもてる、元気な泉大津をつくる」ため、邁進してまいります。
 議員各位ならびに市民の皆様には、これからの4年間、是非とも、私と“志”を共有していただき、泉大津市の未来のために、共に取り組んでいただきますよう、ご理解とご協力をお願い申し上げる次第でございます。

 

平成29年度の主な取組みについて

 次に、平成29年度の主な取組につきまして、ご説明いたします。
 所信表明で申し述べました“志”を実現し、「将来に希望がもてる、元気な泉大津をつくる」ためには、職員はもとより、地域のリーダーとなる市民とも、志や目的を一にし、様々な情報を共有し、その後に様々な施策や事業を具体的に立案・展開していくという段階を踏んでいくことが重要と考えております。そこで、まず平成29年度は、市政運営の基礎づくり・地盤固めとして、職員や市民と、志や目的を一にし、共に学んで、そこから得た情報を共有することに注力してまいります。

 それでは、「第4次泉大津市総合計画」の基本計画に掲げます7つの政策分野に沿って、平成29年度の主要事業をご説明いたします。

 1点目「力を合わせて市民の笑顔があふれるまちづくり」についてでございます。
 元気な泉大津をつくるためには、地域におけるリーダーの存在が不可欠であることから、「元気な泉大津づくり地域人財育成支援事業」としまして、地域の活性化を推進するため、市民の皆様が職員とともに先進的な取組を学ぼうとする場合等に、その費用を補助し、地域の活性化の核となる人材の育成を図ってまいります。

 2点目「学びあうひとづくり 彩りあるまちづくり」についてでございます。
 「小・中学校ICT教材整備事業」としまして、児童・生徒の学力向上のための環境整備として、小・中学校にプロジェクターやマグネットホワイトボード等を整備し、ICT機器を活用した学習指導を進めてまいります。
 また、「読書量日本一のまちづくり」をめざし、読書により語彙力を高め、自ら考え表現できる力を養うことを目的に、「読書手帳事業」としまして、市立図書館において読書手帳を作成し、市内の小学生に配布することで、活字離れが進む子どもの読書意欲の向上を図ってまいります。

 3点目「誰もがすこやかにいきいきと暮らせるまちづくり」についてでございます。
 住み慣れた地域で、自分らしくいきいきと暮らせるよう、地域包括ケアシステムの構築を図るため、医療・介護の連携をより一層進めるとともに、市民・企業・行政が一体となった効果的・効率的な介護予防の取り組みを推進してまいります。
 また、「胃がんリスク検査事業」としまして、ピロリ菌の有無を調べる検査を実施し、胃がんの早期発見・予防対策を推進するとともに、がん検診への関心も高めてまいります。
 さらに、4月に開設する泉大津駅高架下の泉大津市立健康福祉プラザ、愛称「ココフレア」では、家庭や地域の子育て力の向上支援としまして、民間事業者のノウハウを活用した新しいタイプの地域の親子の遊びと交流スペースである「おやこ広場」事業や、市民の健康福祉の向上に関する事業を展開してまいります。
 加えて、待機児童の解消及び、就学前の子どもの成長と発達段階に応じた教育・保育を一体的に行うため、平成30年4月の開園に向けて公立3園目となる「(仮称)えびす認定こども園」の整備を進めてまいります。

 4点目「安全で心やすらぐまちづくり」についてでございます。
 「消防庁舎移転整備事業」としまして、平成30年4月の完成に向け、引き続き、新消防庁舎の整備を進めてまいります。
 また、「防犯カメラ設置事業」としまして、犯罪を未然に防ぎ、安全・安心なまちづくりを推進するために、自治会が自主的に行う防犯カメラの設置費用の一部を助成するとともに、市においても公共施設への設置を推進してまいります。

 5点目「コンパクトで居心地のよいまちづくり」についてでございます。
 「空家実態調査事業」としまして、安全・安心な住まいづくりや魅力あるまちづくりを推進するため、市内の空家の実態調査を実施し、所有者に空家の適正管理や利活用を促す方策や民間中古住宅ストック活用の可能性を検討してまいります。
 また、安全・安心な公園づくりのため、「公園施設長寿命化対策整備事業」として、都市公園施設長寿命化計画に基づき、市民ニーズに対応した公園施設の整備を行い、特色ある公園づくりを進めてまいります。

 6点目「誇れる・選ばれる・集えるまちづくり」についてでございます。
 「元気な泉大津づくり政策研究事業」としまして、私がこれまで培ってきた様々なネットワークを生かして選りすぐりの講師を招き、港湾開発や企業誘致等の研究課題について、庁内の政策研究会を開催し、本市における取組を検討してまいります。

 7点目「健全な行財政と都市経営に基づく市民サービス」についてでございます。
 「元気な泉大津づくり人財育成事業」としまして、他自治体・地域の先進的な取組事例を調査・研究し、情報を収集するとともに、職員の意識改革や人的ネットワークづくりを図るため、視察や研修を実施してまいります。
 また、「窓口業務委託化推進事業」としまして、業務の効率化による待ち時間の短縮や、今後のワンストップ化の推進等、市民サービスの向上に向けて、住民票交付等の定型的な業務の外部委託を実施いたします。
 さらに、市立病院の経営改革につきましては、その第一歩として、4月に就任する事務局長を公募中であり、病院経営に関して豊富な経験と人脈を有する人材の登用を図りたいと考えております。

平成29年度当初予算案について

 平成29年度当初予算案につきましては、

〇一般会計         263億7,146万円 (対前年度比3.7%減)

〇特別会計(国民健康保険特別会計 外5特別会計)

              212億7,146万円 (対前年度比1.7%減)

〇水道事業会計       24億3,091万円 (対前年度比2.7%増)

〇病院事業会計       65億9,816万円 (対前年度比3.2%減)

〇全会計合計        566億7,199万円 (対前年度比2.6%減)

でございます。

 市民の皆様ならびに議員の皆様におかれましては、格段のご支援・ご協力をいただきますよう、心からお願い申し上げまして、私の所信表明と、平成29年度の取組および当初予算案についての説明といたします。

平成29年2月23日

泉大津市長 南出 賢一

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